メルセデスF1、元レッドブル幹部のプールと契約。チーム改善に向けた特別顧問として迎え入れる
2023年シーズンの開幕戦バーレーンGPの金曜日の朝、メルセデスのトト・ウルフ代表とプールがパドックを歩いている様子が目撃され、チーム側は彼女との契約を認めた。
プールはウルフと緊密に連携し、メルセデスの現在のインフラを評価する他、予算制限レギュレーション下でチーム運営を最適化するために変更の可能性について提言を行なうこととなると考えられている。
プールはF1パドックの常連で、レッドブルでは長年に渡ってチーム代表のクリスチャン・ホーナーをサポート。グランプリではよく共にいる様子が目撃されていた。
また、レッドブルの組織の仕組みに関する彼女の知識は、F1グリッド上位への復帰を目指すメルセデスにとっても有益なモノとなるだろう。
ウルフはF1チームが常に進化し、状況に適応することが必要であると常に語っており、チームから上級職スタッフが離脱しても運営で後手に回ることがないようにするとしていた。
2023年の初め、彼は次のように語っていた。
「我々のチームの成功のひとつは、後継者の計画を立てたことだと思う。成功を収めた組織をそのままにしておくことはできないのは明らかだ。そうではなく、良いところを残しつつもほとんどのエリアを自分たちで改革していく必要がある」
メルセデスからは今年、戦略責任者のジェームズ・ボウルズが離脱しウイリアムズのチーム代表に就任。チームは新シーズンに向けて体制を再編成する必要があった。
ウルフはボウルズの離脱によって、チームが将来へ向けた後任の育成を怠らないようにすることの必要性が浮き彫りになったと語っている。
「ある意味、我々が常に大切にしてきた引き継ぎプランを開放することとなった。優秀な人材は自分でキャリアを切り開いていくものだ」とウルフは言う。
「ジェームズが去りウイリアムズのチーム代表になることは、マイナス面よりもプラス面の方が多い。個人的なことを言えば、ジェームズがいなくなるのは寂しいことだ。私は何年も彼と密接に働いてきたからね」
昨年はチームの若手ドライバープログラムを担当するなど、戦略面で直接的なF1チーム関与からは遠ざかっていたボウルズ。彼のポストについて、メルセデスはまだ直接の後任を指名していない。
ただ元F1ドライバーでここ最近ではベンチュリー・フォーミュラEチームの代表を務めていたジェローム・ダンブロジオが、メルセデスで役職を得る可能性があると言われている。
ダンブロージオは開幕前に行なわれたプレシーズンテストにチームのゲストとして参加。開幕戦バーレーンGPにも参加したようだ。