2009年のF1王者であるジェンソン・バトンは、スチュワート・ハース・レーシングのサポートのもと、リック・ウェア・レーシングの15号車フォード・マスタングを駆り、NASCARカップシリーズに参戦する予定であることが明らかとなった。

 2007年のF1王者であるキミ・ライコネンもトラックハウス・レーシングの”プロジェクト91”からNASCARに再参戦。3月26日のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)では、ふたりのF1王者経験者がNASCARで共演することになる。

 バトンは、3月26日のCOTAのほか、7月12日のシカゴ・ストリートコース、8月13日のインディアナポリス・モーター・スピードウェイ・ロードコースにも参戦する予定だ。

 ジミー・ジョンソンとマイク・ロッケンフェラーとともに、”ガレージ56”枠の改良型次世代NASCARカップカーでル・マン24時間レースに参戦することになっているバトン。今回のNASCARシリーズ参戦は、バトンにとってNASCARマシンでの初実戦ということになる。

「ガレージ56のマシンに初めて飛び乗った時『僕は何をしたんだ? かなり違うぞ』という感じだった。それが4周くらい続いた」

「その後、『ちょっと待ってくれ、これもレースカーだ。4つのタイヤが路面に接していて、メカニカルなレースカーなんだ。それなら学んでいける』と考えた」

 セブリングやデイトナ、COTAでガレージ56のマシンを試してきたバトンは、それがカップシリーズ参戦にも役に立つと考えている。

「カップカーはダウンフォースが少なく重量も重いが、ガレージ56のマシンはそれがどのようなものかという方向性を示してくれる。初めてのレースで、予選で上位に食い込むことも、優勝争いをすることも期待されていないことは分かっている」

「僕はカップシリーズに参戦しているドライバーたちを心から尊敬している。オーバルでもロードコースでも、たくさんの才能溢れるドライバーがいる」

「10年前は、NASCARのドライバーはサーキットを走れないと言われていたが、彼らはそれ(ができることを)を証明したと思う。元F1ドライバーがストックカーに乗るたびに、最初は苦労している。だから、すぐに上位に食い込めるとは思っていない。だから、僕にとっては複数のレースをこなすことが重要で、そうすれば自分自身とマシンのベストを引き出すことができる」