【MotoGP】ヤマハ、ポルティマオテストでF1式リヤウイングを投入へ。ドゥカティのステゴサウルス式も用意済み
バイクにリヤウイングをつける……そんなアイデアがMotoGPで広まったのは昨年のこと。先鞭をつけたのはアプリリアで、彼らはテール上部にまさにウイングと言うべきT字型のパーツを装着し、周囲を驚かせた。
そんなアプリリア式に対し、別のソリューションを持ち出したのがドゥカティだ。彼らはまるで恐竜のステゴサウルスの”背中のヒレ”のような垂直なウイングをテールに林立させるスタイルを選び、このドゥカティ式のアイデアに他メーカーも追従することとなった。
ヤマハはそういったトレンドとなっていたリヤウイングを、2月のセパンテストでマシンに実装していなかった唯一のメーカーだ。しかし2023年シーズンはこのトレンドに乗り、リヤウイングを投入してくるようだ。
そしてヤマハは主流となっているドゥカティ式だけではなく、アプリリアが最初に示したようなF1スタイルのリヤウイングも試験すると、チームマネージャーのマッシモ・メレガリがポルティマオテスト開始を前に語った。
「我々はふたつのデザインのモノをテストする準備ができている。ただテストは2日間しかないため、その間に行なう機会は無いかもしれない。様子を見てみよう」
なおF1スタイルのリヤウイングは、コーナーリングにおける効果を狙うドゥカティ式とは異なり、ブレーキング時の安定性改善を目指していると考えられる。
「テストするパーツはふたつあるが、テスト日程は2日間しか無い。時間があるか分からないんだ。そしてリヤウイングはパッケージのホモロゲーションに含まれていないため、後回しにすることも可能なんだ」
そうメレガリは語る。リヤウイングが後回しになる可能性があるのは、そもそもヤマハは現時点ではフロント側のカウルデザインに集中していることも一因として存在している。レギュレーションで、それらのカウルについてはシーズン開幕前にホモロゲーションを通さなくてはならないと定められているためだ。
「この2日間で、我々はカウルについて重要な決断を下す必要がある。セパンテストの後、ライダー達は決定をポルティマオまで遅らせることを決めたんだ」
「この冬の間、チームはファクトリーでとても賢明に作業を進めてきた。ヤマハで働いてきて、こんなに膨大なテストパーツの量は見たことがなかった。いくつか中央部分が異なるカウルが存在しているんだが、ホモロゲーションを得るためにテストが終わる前に決断を下さないといけない」
またセパンテストではファビオ・クアルタラロからヤマハのマシンが新タイヤを履いた状態での1周のパフォーマンスが深刻だという懸念の声も聞かれたが、ヤマハもその点について改善が必要だと考えている。
「セパンではペース自体は良かった。しかしタイムアタックでは素晴らしいわけではなかったため、我々はその領域に取り組む必要がある」
「テスト項目が多すぎて、連続して3周以上を走る事ができなかったんだ。ファビオはそういうのが嫌いで、レースウィーク中にはあまりバイクには触りたがらないからね」