2009年のF1世界チャンピオンであるジェンソン・バトンは、今年のル・マン24時間レースへ”ガレージ56”枠から出場するNASCARプロジェクトの一員としてカップカーのステアリングを握るが、初めてNASCARのマシンを目にするファンも「気に入る」と自信を見せている。

 今回のNASCARのル・マン挑戦プロジェクトは、NASCARやヘンドリック・モータースポーツ、シボレー、IMSA、グッドイヤーのコラボレーションによって実現したモノだ。

 ガレージ56とは、ル・マン24時間レースにおいて「未来の技術」のために主催のACOが設けているエントリー枠で、バトンは7度のNASCARカップシリーズ王者であるジミー・ジョンソンとル・マン総合優勝経験を持つマイク・ロッケンフェラーと共に、ル・マン仕様に改造されたシボレー『カマロZL1』Next Genカーをドライブすることになる。

 バトンはル・マンのファンについて「目にするモノを間違いなく気に入るだろう」と語り、次のように続けた。

「見た目はカップカーにウイングレットをいくつか付けたような感じだ。(現在の)カップカーとは異なる見た目にしたくなかったから、僕らはマシンにリヤウイングを付けることはしなかったんだ」

「カップカーのようにも見えるけど、カップカーとは異なるパフォーマンスを持っている。パワーもあるし、軽いし、ダウンフォースもかなり大きい。通常のサーキットなら、1周あたり8〜10秒は速い。マシンは速くなっているんだ」

 ル・マン仕様のNext Genカーにはサイドミラーや灯器類、カナードが搭載され、フロントスプリッターはより頑丈なモノに換装されているなど、通常のカップカーとは目に見える違いがある。

 そしてバトンは、Next Genカーが発するサウンドに最も感銘を受けたと語った。

「カップカーの音は正気とは思えないほどだ。あのV8エンジンの素晴らしい音は、みんなを圧倒すると思う」とバトンは言う。

「ル・マンでは違いなくファンのお気に入りの一台になるはずだし、NASCARにも多くの関心をもたらしてくれるはずだ」

「キミ(ライコネン)の参戦や僕の参戦、ジョーダン・テイラーの参戦が、このスポーツのこれまでとは異なるファン層をもたらすと確信しているのと同じようにね。これらは全て、NASCARにとって素晴らしいことで、ファン層を活性化させ続ければと心から願っている」

「本当に特別でスペクタクルな体験だよ」