MotoGPの2023年シーズン開幕前最後となるテストがポルトガル・ポルティマオのアルガルヴェ・サーキットで実施。最終日となる2日目は、ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤがトップとなった。

 バニャイヤは、これで2日連続でトップ。マレーシアのセパンで行なわれたテストも含めると、計5日のプレシーズンテストでドゥカティ陣営がトップを独占したことになる。

 バニャイヤはこの日最初にコースインしたが、セッション最序盤にトップに立ったのはプラマックのホルヘ・マルティンだった。マルティンは転倒がありながらも1分38秒717をマークした。

 セッション開始から3時間が過ぎようとするころには、バニャイヤが1分38秒154をマーク。このタイムはセッション終了50分前に、彼自身がソフトタイヤを履いて1分37秒968までタイムを更新するまで、タイムシートのトップを維持した。彼が出したトップタイムは、非公式ながらコースレコードを更新するほどの速さだった。

 ほとんどのライダーがチェッカーフラッグを前に走行を切り上げる中、バニャイヤは最後まで走行を続け、タイトル防衛に向けて力強い形でテストを終えた。

 2番手になったのはプラマックのヨハン・ザルコ。バニャイヤとの差は0.296秒だった。

 さらにそこから0.038秒差でヤマハのファビオ・クアルタラロが3番手。テスト初日に大苦戦したクアルタラロは、開幕戦に向けて準備ができていないとコメント。しかし2022年のセッティングに戻した結果、1.3秒ものタイムアップを果たしている。

 またヤマハはこの日、水平なウイングをリヤカウルに搭載しテストしていたが、クアルタラロはこのパーツがあまり効果を発揮していないとコメント。そのままレースで登場することはなさそうだ。

 クアルタラロ以外はドゥカティ陣営が上位を独占。VR46のルカ・マリーニが4番手、マルコ・ベッツェッキが5番手に続き、ドゥカティ・ファクトリーのエネア・バスティアニーニが6番手となっている。

 アレックス・マルケス(グレシーニ)は2度の転倒を喫したが、マルティンやアプリリアのアレイシ・エスパルガロを抑えて7番手となった。なお、エスパルガロは腕上がりの症状が出ており、今週中に手術を受けなければならないかもしれないと認めている。

 ホンダ勢の最速はレプソル・ホンダのジョアン・ミルで13番手。チームメイトのマルク・マルケスは14番手、LCRホンダのアレックス・リンスも15番手に続いた。中上貴晶(LCRホンダ)は20番手となっている。

 なお、グレシーニのファビオ・ディ・ジャンアントニオは、テスト初日のクラッシュで負った脳震盪のため、テスト2日目に走行することができなかった。

 2023年のMotoGPシーズンは3月24-26日にポルトガルGPで開幕。史上初めて週末のスケジュールにスプリントレースが組み込まれることになる。