ハース代表、ミック・シューマッハーへの激しい批判を後悔せず。Netflixドキュメンタリーで舞台裏が明らかに
ヒュルケンベルグはたびたび代役としてF1にスポット参戦してきたとはいえ、フル参戦は2019年以来。それでもその腕が錆びついていないことを証明してみせた。1周目の接触がなければ、決勝でもポイントに手が届く可能性は十分あったのではないだろうか。
今季ミック・シューマッハーに代えてヒュルケンベルグを起用するというハースの判断は、今のところ成功していると言っていいだろう。
2022年は経験豊富なチームメイトのケビン・マグヌッセンと比較され、厳しい評価を下されたシューマッハー。その苦闘の舞台裏は、Netflixの人気ドキュメンタリー『Drive to Survive』(邦題Formula 1:栄光のグランプリ)で明らかとなった。
シーズン5のエピソード4が、シューマッハーに注目したエピソードとなっている。特にシューマッハーが喫したふたつの大クラッシュ(サウジアラビアGP予選とモナコGP決勝)と、アゼルバイジャンGPでペースが上がらず、彼が自信を失っている様子が映し出されている。
クラッシュにより大損害を生んだシューマッハーは、チーム代表のギュンター・シュタイナーの怒りを買った。シュタイナーがマグヌッセンやオーナーのジーン・ハースとの会話の中でシューマッハーを露骨に批判している様子もドキュメンタリーに収録されており、シュタイナーとマグヌッセンが2023年の後任候補について話し合っている様子も映し出されている。
motorsport.comがシューマッハーのエピソードが公開されたことによる影響について訊くと、シュタイナーは自身の描写について「恥じていない」と断言。ドキュメンタリーは最も爆発的な部分のみを見せるためにかなり編集されていることを認めた。
「私は見ていないが、コメントを発したので、いくらか覚えている」とシュタイナーは答えた。
「そして、彼らは私が言ったことを全て見せてはいないと思う。その場の勢いで喋ってしまうこともあるが、Drive to Surviveの番組ではそのような最悪で、刺激的な瞬間を映し出している。言うまでもなく、それが番組の狙いだからね」
「言ってしまったことは変わらないし、もう取り返しがつかない。そして、それについて持ち出さないことにした。なぜなら隠すことはないし、恥じることもないからだ」
シューマッハーのエピソードは、7月のイギリスGPで彼が初めてポイントを獲得するという救いのある形で終わっているが、結局シューマッハーの契約は更新されなかった。
シュタイナーはNetflixで描かれた自分の姿に後悔はないと断言。それはチーム代表としての役割に集中しており、演技に興味はないからだ。
「私の立場になって考えてみてほしい。ベストなのは、彼ら(Netflix)が何もしないことだ」と彼は付け加えた。
「だから自分のパフォーマンスに関わらないんだ。私は役者じゃないから、演技はしない」
「私は自分の仕事をした。私の仕事はレーストラックで何を成すかを判断することであって、Netflixで良く見えるか悪く見えるかを気にすることじゃない。そんなことどうでもいいんだ」