レッドブル・レーシングは、先日行なわれた2023年のF1開幕戦バーレーンGPを圧倒的な強さで制した。これは、2021年の予算制限レギュレーションに違反したことで、チームが空力試験に関するペナルティを受けたことが後押しになっている可能性がある。チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、ペナルティにより、限られた機会を最大限に活かそうとしたことが、パフォーマンス向上に繋がったと明かした。

 レッドブルはプレシーズンテストから速さを見せ、開幕戦でも前評判通りのパフォーマンスを披露。後続にまさに”影をも踏ませぬ”差を築いて1-2フィニッシュを決めた。

 レッドブルは昨年コンストラクターズチャンピオンに輝いたことで、空力試験を行なう回数や時間が、昨年ランキング7位のチームに対して70%まで制限されている。これに加えて、レッドブルは2021年の予算制限レギュレーションに違反したとして、さらに10%空力試験が削減されている。つまりレッドブルが空力試験を行えるのは、7位のチームの63%に留まっているわけだ。

 この制限は大変厳しく、パフォーマンスに大きな影響が出るのではないかという見方もあった。しかし蓋を開けて見れば開幕戦を圧勝。空力試験の制限がまるで効いていないように思えた。

 ホーナー代表は、ペナルティを受けたことの利点もあったと認める。曰く、空力試験の機会が限定されたことで、その回数や時間を適切にマネジメントするためのアプローチを、強化することに繋がったのだという。

「そのことは、チームの全員の心を集中させ、効率を高めたと思う」

 スタッフの気の持ちようについて、ペナルティがどんな影響を与えたのかと尋ねられたホーナー代表は、そう語った。

「風洞実験の時間で失った分、モチベーションを得ることができた」

 ただホーナー代表は、長期的には空力試験が厳しく制限された影響が出てくる可能性があるだろうとも語る。

「これは今年のマシンだけでなく、来年のマシンにも影響を及ぼすモノだ。12ヵ月にわたって、その影響を見なければいけない」

 そうホーナー代表は語った。

「我々にとって本当にポジティブなことは、そのリソースと時間を奪ってしまう根本的な問題に直面しているわけではないということだ」

「そのペナルティに対処し、堅実なスタートを切ることが、我々には不可欠だった。そして、チームはそれを達成するために素晴らしい仕事をしたんだ」

「でも、(影響が及ぶ期間は)まだ8〜9ヵ月もある。つまりこのクルマ、そして来年のクルマをどう開発していくかについて、非常に選択的かつ、非常に効率的でなければならないということを意味する」

 ホーナー代表曰く、2024年のレギュレーションが変更され、マシンに追加の開発が必要となった場合に、空力試験の制限が大きな影響を及ぼす可能性があると危惧する。

「レギュレーションに、何か変更があるのかということに本当にかかっている」

 そうホーナー代表は説明する。

「我々はレギュレーションが変わらないことを期待している。しかしチャンピオンシップで1位になることで課される制限だけでなく、ペナルティの10%削減もある。それは不利になり、ハンデキャップだと言える」

「つまり我々は、フェラーリよりも15%、メルセデスよりも20%少ない。それはかなりの規模だ」(編注:実際にはフェラーリよりも12%、メルセデスよりも17%減)

「我々にとっては、風洞実験で調べるモノを効率的にし、そしてRB19とRB20をどう開発するかに全てがかかっているんだ」