MotoGPのポルティマオテストが行なわれると、2日間の日程でともに最速となったのはドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤだった。ディフェンディングチャンピオンとして新シーズンに向けて好調な様子だが、本人はかなり冷静な姿勢を見せている。

 アルガルヴェ・サーキットで行なわれた開幕前最後のプレシーズンテスト。初日をトップタイムで終えたバニャイヤは、2日目には非公式ながらレコードを更新する1分37秒968を記録。開幕戦ポルトガルGPは同じコースで行なわれるため、彼は優勝候補の一角と見られている。

 バニャイヤ本人は新型マシンを快適に感じられていることは認めつつも、あくまでもテストとレースは別物だという姿勢を崩していない。

「プレシーズンの段階では毎日のように話していることだけど、テストはテストで、グランプリは全く違うものなんだ」

 バニャイヤはそう語る。

「だから実戦を待とう。たしかに僕らは作業を進めて、良いレベルに達しているし、スプリントレースに向けたペースにも満足している。タイヤにもね」

「でもレースウィークを待つ必要がある。テストでは無視できていたフロントタイヤの内圧の問題もあるんだ。だから(テストとレースでは)違ってくるものだし、誰かが前を走っていたらより危険になるんだ。ただいずれにせよ、僕らはしっかりと準備をしてきている」

 なおバニャイヤは「テストとレースは別」としつつも、優勝争いには加わって行けるだろうという点は認めている。

「明確な点は、僕らが勝利を争っていく準備ができているということだ。それはともかく、トップを争えるだけの十分な速さをもったライダーは複数いると思う」

 バニャイヤについてはライバルから高い評価も聞こえている。昨年までチームメイトだったジャック・ミラー(KTM)は、バニャイヤは昨年以上に強くなっていると語った。

「今年の彼は、昨年よりも強くなっていると思う。2021年の終盤の走りや、2022年の終盤の走りを考えてもね」

「彼は今年相当変わっているようだ。自信を持ち、より印象的なライディングをしている」