フェラーリは王者レッドブルに対抗するどころか、表彰台も逃すという不本意な形で2023年シーズンをスタートさせた。この結果を受けて、上級スタッフが複数名いなくなるのではないかと噂されている。

 バーレーンGP後に車両コンセプト責任者であるデビッド・サンチェスがフェラーリを離れたことをきっかけに、人材流出の連鎖が起きるのではないかと考えられているのだ。

 レースディレクターのローラン・メキーズがチーム離脱を検討しているという噂もあり、これ以上人材を失えば、現在ハースに”出向”しテクニカルディレクターを務めているシモーネ・レスタを呼び戻さなくてはならないのではないかという指摘もある。

 第2戦サウジアラビアGPを前に、チーム代表のフレデリック・バスールは開幕戦の内容が良くなかったことを認めつつ、フェラーリ内部の状況は一部のメディアで報じられているようなものとはかけ離れていると主張した。

 フェラーリ内部の不和があるという憶測について尋ねられたバスールは、開幕戦の後でみんなが喜んでいるわけではないと説明した。ただその一方で、メキーズがフェラーリの未来の一部になることを強く望んでいる人物であることを強調し、陣営に大きな問題があるという話が的外れであることを明らかにした。

「不満を持っている人がいるというのとは別の話だ」

「期待通りの結果が得られない時にアンハッピーになるのはごく普通のことだと思うし、私もそうだ」

「しかし最も重要なのはグループとして、チームとして働いて、ベストな結果を出して改善をすることだ」

「それと会社を去ることは別の話だ。ローランについて話してほしいのなら、過去に何があったのかは知らないが、私は彼と25年の付き合いだ。学生時代からの付き合いのようなものだ」

「私は彼を信頼しているし、我々は非常に良い協力関係を築いている。彼は会社の将来を支える柱のひとりになるだろう」

 バスールは、どのチームでもスタッフの出入りが激しいのは当然のことだとしながらも、チームの中心人物たちが献身的であると明言した。

「正直なところ、毎年多くの人材を採用し、毎年入れ替わりがあるモノなんだ。もしあなたが、主要なスタッフが去るという話をしたいなら、私はそうなるとは思わない」

「しかし確実にチームを去る人は出てくるし、チームに加わる人もいる。F1ではどのチームもそんな感じだ」

「我々は強固なグループであり、将来に向けてもチームを作り上げており、そのつながりは良好だ。だから、重要な人材がチームを去ることはないと思う」

 バスールはサンチェスを失うことは理想的ではないと認めたが、彼とのやりとりについて詳細は明かさなかった。

 またフェラーリが技術部門の再編を図る中で、ハースからレスタを呼び戻すつもりはないと、バスールは語った。

「シモーネは我々のカスタマーチームのテクニカルディレクターを務めている」

「彼はギュンターといい仕事をしているし、こちら側で何かをするつもりはない」