2023年のF1ルーキーのひとりであるオスカー・ピアストリ。彼は昨年アルピーヌとの契約問題のすったもんだの末にマクラーレンへ加入したが、テストから問題続きの今もマクラーレンに加入したことに後悔はないと語った。

 ピアストリはアルピーヌの育成ドライバーとしてキャリアを築き、昨年はセバスチャン・ベッテルの電撃引退に伴うドライバー市場の動きから、アルピーヌが2023年にレギュラードライバーとしてピアストリを起用すると発表するに至った。しかし、すでにマクラーレンと契約していたピアストリはこれを否定。この問題は結局ピアストリ側の契約の正当性が認められ、彼はマクラーレンから無事にF1デビューを果たすことができた。

 しかし開幕戦を終えた時点で、ピアストリに対して移籍を早まったのではないかという意見も出る状況になってしまった。

 その背景にはマクラーレンがプレシーズンテストの段階から問題に見舞われ、他チームと比べて十分な走行を重ねられていなかったことや、開幕戦バーレーンGPでも配線に起因するトラブルでピアストリがリタイアせざるを得なかったこと、チームメイトのランド・ノリスもマシントラブルで6回ものピットインを強いられたことなどの厳しい状況となっていたことがある。

 そして何より、移籍市場の玉突きの結果アルピーヌへ加入したピエール・ガスリーが最後尾から9位入賞を果たしていることも無視できない要素となっている。

 しかしピアストリはそういった声を意に介していないようで、この話題について次のように語った。

「僕としては、これは別に2チームの決定でもなんでもないんだ」

「マクラーレンからの、僕をチームに迎えたいという大きな情熱を感じて僕はマクラーレンに入りたいと思った。それはとても重要なファクターだったんだ」

「だから僕はそういった視点では考えてもいない。言うまでもないことだけど今はチームを前進させ、あるべき場所へ戻るための手助けや、自分のポジションに集中している」

 またピアストリはチームが計画しているアゼルバイジャンGPに向けたアップデート計画に、かなり自信を持っている様子だ。

 マクラーレンと契約した昨年8月と比較して、競争力が低下していることに対してガッカリしているのかと尋ねると、彼は次のように語った。

「現時点で僕たちが期待していたようなポジションにいないのは、言うまでもない。それについて隠したりはしていない」

「チームはトップ3〜4チームを追いかける、僕らのいるべき場所に戻るための良い開発プランを立ててくれている」

「トップ3〜4チームと同じレベルになるのは、大変なことだ。バクー(アゼルバイジャン)で持ち込まれるアップデートでどうなるか、様子を見てみよう」

「当然だけど、これは1年を通じて何度も踏んでいくステップのひとつになってくるだろう」