レッドブル、ガスリー&アルボン起用は早すぎたと反省? 経験豊富なペレスの活躍にチーム代表が「アンフェアだったかも」と発言
そして今季の第2戦サウジアラビアGPでは、予選でフェルスタッペンがマシントラブルに見舞われる中でポールポジションを獲得したペレスは、決勝も危なげなく優勝。フェルスタッペンが2位までリカバリーしたことで、レッドブルは2戦連続のワンツーフィニッシュを飾った。
ペレスがレッドブルに加入して以来、ワンツーフィニッシュはこれで7度目。2022年4月のエミリア・ロマーニャGPがその初回となるが、それ以前にレッドブルがワンツーフィニッシュを記録したのは2016年マレーシアGP(ダニエル・リカルド優勝、フェルスタッペン2位)まで遡らなければならない。その間、メルセデスが圧倒的なパフォーマンスを発揮していたという事情もあるが、レッドブルはリカルドの離脱以降、フェルスタッペンに近いパフォーマンスを発揮できるドライバーを探し続けてきたのだ。
ペレスが定着する以前にはピエール・ガスリーとアレクサンダー・アルボンのふたりが非常に短いスパンで入れ替わっていたが、クリスチャン・ホーナー代表はペレスが経験を武器に地位を固めたことを考えると、前任のふたりのドライバーにとってはアンフェアなところがあったと認めた。
ガスリーは2019年にレッドブルの姉妹チームであるトロロッソ(現アルファタウリ)から昇格。しかしパフォーマンスを発揮することができず、シーズン後半からトロロッソに戻されてしまった。
そしてレッドブルはガスリーよりもさらに経験の少なかったルーキーのアルボンを、シーズン後半から抜擢。だがそのアルボンも2020年に苦しみ、結局育成ドライバーではない”外様”となるペレスの起用につながった。
ペレスは2021年にレッドブルへ加入すると当初こそ苦戦したが、マシンへの適応を進めてアゼルバイジャンGPで優勝するだけでなく、チームメイトのタイトル獲得にも大きく貢献。2022年の契約延長に繋がり、昨年は2勝を達成して2023年もレッドブルから継続参戦している。
ガスリー、そしてアルボンらとペレスの比較もされていたが、ホーナー代表は、”今考えれば”この若手ふたりの起用には時期尚早な面もあったと、ドライバー陣容が固まらなかった時期についての考えを語った。
「チェコ(ペレスの愛称)の起用で鍵となったのは、彼の持つ経験だった。そしてそれ以前のふたりについては、アンフェアだったかもしれない」
ホーナー代表はサウジアラビアGPを前にそう語っていた。
「チェコはそのキャリアを通じて厳しく揺さぶられることも経験してきた。彼は成熟した人物としてここに来ており、素晴らしいチームプレイヤーとなってくれたと思う」
「彼はマシン開発の見通しも良いものを持っていたため、非常に働きやすかった。それらが彼を最初に獲得した理由だったし、期待どおりに実現してくれた」
ホーナー代表はマックス・フェルスタッペンのチームメイトになることは、どのドライバーにとっても非常に大きなチャレンジだとしているが、ペレスはそれを乗り越えたとも語っている。
「マックス・フェルスタッペンをチームメイトにするというのは、彼にとってもタフなものだろう。マックスは今のF1においてバロメーターとなる存在なんだ」
「だがチェコはそれに対処できる十分な成熟具合の人物なんだ。彼は進化し続けていると思うし、パフォーマンスを改善させ続けている。だから彼が競争力を発揮している姿を目にできるのは素晴らしいことだ」
「昨年彼は2勝しており、一昨年は1勝しており、我々がコンストラクターズチャンピオンシップを勝つ上で重要な存在だったんだ」