メルセデスのルイス・ハミルトンは、F1第2戦サウジアラビアGPの決勝でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に抜かれ、その驚異的なアドバンテージを実感したようだ。

 フェルスタッペンは予選でマシントラブルに見舞われ、15番手からの追い上げを強いられたが、結果的に優勝したチームメイトのセルジオ・ペレスに次ぐ2位まで浮上。そのパフォーマンスはレッドブルが持つアドバンテージを浮き彫りにした。

 ハミルトンは最終的に5位となったが、「レッドブルのアドバンテージの大きさに驚いている」と語った。

 彼はレッドブルと後続の差について、2014年から圧倒的な強さを誇りコンストラクターズタイトル8連覇を果たしたメルセデスと比べ物にならないほど大きいと主張した。

「こんなに速いクルマは見たことがない」と彼は言う。

「僕たちが速かった時は、これほど速くはなかったと思うんだ。特に他のクルマと比べた時、今まで見た中で一番速いクルマだと思う」

 レッドブルの今季マシンであるRB19は、コーナリングが速いだけではなく、特にDRSが開いている際には直線でも非常に速いことが証明されている。このトップスピードのアドバンテージは、ポジションを上げていく上で不可欠だった。

 ハミルトンは、フェルスタッペンのストレートでのアドバンテージは非常に大きく、自分の後ろにつかれた際、ポジションを守ろうとしても無駄だと思ったという。

「どうやったのか、なぜなのかわからないけど、フェルスタッペンはすごいスピードで僕を追い抜いていった」とハミルトンは語った。

「圧倒的なスピードの差があったから、ブロックする気にもならなかった」

 ハミルトンのチームメイトであるジョージ・ラッセルは開幕戦バーレーンGPが終わった時点ですでに、レッドブルが今季全戦で優勝するのではないかとコメントしている。

 ひとつのチームしか勝てないということが分かれば、ファンの興味を惹きつけるという面で、F1にとってネガティブな知らせになるかもしれない。

 ファンがうんざりしてしまうことを心配しているかと尋ねられたハミルトンは、次のように答えた。

「もちろん、誰しもがみんなが接戦になっているところを見たいと思うけど、それが現実だ。僕のせいじゃないよ」