MotoGP2023年シーズン、ヤマハのフランコ・モルビデリは苦戦から立ち直ることが期待されている。彼は“白紙の新シーズン”に向けて、可能性を期待しているという。

 モルビデリは2021年シーズン後半戦に、マーベリック・ビニャーレスの後任としてヤマハのファクトリーチームに昇格。2022年がファクトリーライダーとしての本格的なシーズンスタートとなったが、彼は1年を苦戦のうちに終えることになった。

 チームメイトのファビオ・クアルタラロがタイトルを争っていたこともあり、彼を厳しく評価する声も聞かれている中で、契約の節目となっている2023年は彼にとって非常に重要なシーズンだと言えるだろう。

 ただ開幕前のプレシーズンテストではセパンで総合20番手、ポルティマオで19番手と、一発のタイムではまだクアルタラロとは差が残っている状態だった。しかしモルビデリはまだまだ2023年シーズンに向けて可能性はあると考えている。

 開幕戦ポルトガルGPのプレビューで、モルビデリは白紙の新シーズンはどんなことも起こる可能性があると意気込みを見せた。

「長い冬の間、ヤマハはテストのためにたくさんのアイテムを用意してくれた。たくさんの事を試して、可能な限りデータを収集することができたよ」

「この間のポルティマオテストの後、そのデータが分析され、チームは準備を整えている。チームの雰囲気はいつも良いけど、新シーズンの開始にあたって今はさらにワクワクしている」

「今は白紙の状態で、様々な可能性がある。最善を尽くしていくよ」 

 なおモルビデリの不調を鑑みたのか、彼の師匠であるMotoGPレジェンドのバレンティーノ・ロッシは、VR46アカデミーでの時間をより彼に割くことにしたと、VR46チームのディレクターが明かしている。

 一方クアルタラロにとって、今シーズンはタイトル奪還を目指すシーズンとなっている。彼はこれまでヤマハYZR-M1のパワー不足を訴えてきたが、今年は一定の改善も見られ、様々な新パーツもテストで投入されるなどヤマハが力を入れてきている。

 クアルタラロはテストを最終的に好感触で終えているが、シーズン開幕を待ちきれないと語った。

「ついに2023年シーズンが始まるけど、楽しみだ」

「2週間前のポルティマオテストはポジティブに終了しているから、今週末も自信を持って臨むことができる。土曜日に行なわれる初のスプリントレースに向け、金曜セッションでの準備にもアイデアがあるんだ」

「前回のレースからしばらく経ってしまっているから、ファンの皆もまた始まるのをとても楽しみにしてくれていると思う。僕もサーキットで皆に会えるのが楽しみだよ」