2022年のMotoGPでチャンピオンに輝いたドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤは今シーズン、ゼッケンナンバー1をまとい、ディフェンディングチャンピオンとしてシーズンに挑むことになる。その開幕戦を前にバニャイヤは、1番を使うことに敬意を払いつつも、その立場を防衛できるよう、全力を尽くすと語った。

 いよいよ開幕する2023年のMotoGP。最高峰クラスのバニャイヤは、前シーズンの王者の証であるナンバー1を背負い、新シーズンに挑む。

 MotoGPではチャンピオンが1をつけることが義務付けられておらず、自身のパーソナルナンバーを使い続けるか、それとも1をつけるか、どちらかを選択することができるわけだ。

 近年のチャンピオンたちは1番を使うことに積極的ではなく、マルク・マルケスもバレンティーノ・ロッシも、自身のパーソナルナンバー(マルケスは93、ロッシは46)を使い続けた。バニャイヤの前に1番を使ったのは、2012年のケーシー・ストーナーまで遡らなければならない。

 今週末のポルトガルGPで開幕する2023年シーズンを前にバニャイヤは、タイトル防衛への強い決意を語った。彼は直面する課題を認識しつつ、それを達成できると強く信じている。

「僕がレースを見始めてから、タイトルを防衛したのはマルクとヴァレだけだと思う」

 そうバニャイヤは語った。

「だからこそ僕は、家でも、そしてサーキットでも、多くのことに取り組んでいるんだ」

「確かに1番を背負うことは、敬意を払うべきことだと思う。そして、それを使い続けるために、最大限のモノを注ぎ込まなきゃいけない。ここにいる全てのライダーたちが、僕のマシンからこの番号を盗み取ってやろうと狙っているに違いないからね」

「でも全てがうまく機能すれば、タイトルを防衛できると確信している。簡単ではないことは確かだけど、僕らはそれを狙えるだけの立場にいるんだ」

 バニャイヤの今季のチームメイトは、エネア・バスティアニーニである。バスティアニーニは昨年、ドゥカティのサテライトチームであるグレシーニのマシンを駆りながら、ランキング3位となったライダーだ。

 ただバスティアニーニは冬の間のテストで大いに苦戦しており、2022年のような活躍は難しいかもしれないと認める。

「とてもとても、素晴らしいシーズンを過ごすことができた」

 バスティアニーニは昨シーズンについてそう語った。

「2022年は、僕の予想に反してはるかに素晴らしいモノだった」

「今年、何かをより良くするのは、難しくなる可能性がある。ドゥカティ陣営のライダーのほとんどは速い。これはテスト中にも分かったことだし、多くのライダーにタイトル獲得のチャンスがあると思う」

「MotoGPのライダーは誰もがすごく速くて、今のところ誰が最高のライバルなのか分からない」

「おそらく最初のライバルはペッコ(バスティアニーニの愛称)だと思う。なぜなら、カウルにつけられた”ナンバー1”が、それを表しているからね。より良いシーズンにするために、彼から多くのことを学ばなければいけない」