ヘレス・サーキットでMotoGP第4戦スペインGPのスプリントレースが行なわれた。優勝したのは、KTMのブラッド・ビンダーだった。

 スペインGPのスプリントレースは全12周。午前中の予選の結果、ポールポジションにはアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)、2番手にジャック・ミラー(KTM)、3番手にホルヘ・マルティン(プラマック)が並んだ。中上貴晶は(LCRホンダ)は11番手スタートだ。

 予選時は小雨に降られたものの、天候は回復。スプリントレース時には青空が広がり、気温は30度まで上昇。路面温度も50度と暑いコンディションとなった。

 レースがスタートすると、ホールショットはミラーが奪う。その後方に4番手スタートのビンダー、フランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)と続いた。

 ただ、スタート直後のターン2でフランコ・モルビデリ(ヤマハ)が転倒し、これにマルコ・ベッツェッキ(VR46)、アレックス・マルケス(グレシーニ)、アウグスト・フェルナンデス(GASGAS)が絡む多重クラッシュが発生。マシンが炎上する状況となり、すぐに赤旗中断となった。

 レースディレクションは当初のグリッド位置による、全11周での再スタートを通達。レースは仕切り直しとなった。なお転倒したライダー達に怪我はなく、全員が再スタートに参加することができた。

 再スタートではビンダーが好スタートを切ってホールショットを奪った。オープニングラップはマルティン、ミラー、バニャイヤと続き、ポールスタートのエスパルガロは5番手に後退した。

 2番手争いを制したミラーは、ビンダーを追い抜くチャンスを伺っていく。そして3周目にはオーバーテイク。先頭が入れ替わった。

 ミラーは先頭に立った後、後続を引き離すまでは至らず上位4台がトレイン状態でラップを消化していった。

 ラスト4周頃からトップ2台が差を広げ始め、3番手のバニャイヤが遅れていく。

 ビンダーは残り2周、バックストレートエンドでのブレーキング勝負を仕掛けると、次のコーナーのクロスラインを力ずくで抑えて先頭に浮上。ラストラップに突入した。

 先頭に立ったビンダーが逃げていく一方で、ミラーはバックストレートエンドでラインを膨らませてしまったため、バニャイヤに先行を許してしまった。

 ビンダーはそのままトップを維持してチェッカー。スプリントレースを制した。2位はバニャイヤ、3位はミラーだ。また、KTMのテストライダーでワイルドカード参戦しているダニ・ペドロサが、6位入賞を果たした。

 中上はレース4周目にターン9で転倒しレースを終えた。またポールシッターのエスパルガロも、中盤6周目に転倒リタイアとなった。