レッドブル代表、今後もフェルスタッペンとペレスに「自由にレースをさせる」と明言。ライバルとの差が縮まるまでは……
ふたりによる争いが激化していくと、同士討ちの懸念も高まるが、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は「ふたりは自由にレースすることができる」と明言している。
今季4戦を終えた段階で、レッドブルが全勝。しかもフェルスタッペンが2勝、ペレスが2勝と、勝利を分け合う形となっている。
この状況についてホーナー代表は、ふたりがポイントを分け合うことで、ライバルチームとの差を引き離すことができると、ここまでの戦いぶりを評価。今季は厳しい開発制限を強いられているレッドブルは、今後競争力が伸び悩む可能性があり、それに関しても現時点で多くのポイントを稼いでおくのは重要だと考えているようだ。
「現時点ではふたりの戦いだ」
今季のタイトル争いについて、ホーナー代表はそう語った。
「他のチームとの間には僅かに差があるが、まだ19レース、そしてスプリントレースも5レース残っている」
「ものすごい数のレースが残っているし、様々なタイプのサーキットを戦い抜かねばならない。ふたりの間で、優劣が行ったり来たりすることになるだろう。そうなると、信頼性が重要な要素になる。そして現時点で我々が重要視しているのは、両方のドライバーの間に緩衝材のようなモノを構築することだ」
「ヨーロッパに戻れば、かなりのアップグレードが行なわれることになると確信している。そしてもちろん、今年の我々は開発能力を抑えられているため、差を築くことに今は集中している」
ホーナーは、レッドブルにはチームオーダーはなく、フェルスタッペンとペレスに真っ向勝負させると語った。
「4レースを終えた時点で、彼らは6ポイント差だ、だから、彼らはふたりとも、競争力のあるドライバーだ」
そうホーナー代表は言う。
「彼らはどちらも勝ちたいと思っている。それが、我々が彼らふたりを起用している理由だ。そしてそれは、彼らがコース上で何をするかということにかかっている」
「彼らは今回、自由にレースをすることができた。ここまでずっと、彼らは自由だったんだ」
それは今シーズンもずっと続くのか? そう尋ねられたホーナー代表は、次のように付け加えた。
「チームの利益となっている場合はそうだ。ライバルチームと戦っている場合には、ドライバー個人の利益よりもチームの利益が優先されることになる。しかし現時点では、彼らは自由にレースをすることができるんだ」
アゼルバイジャンGPのレース前には、2018年の同GPで起きたフェルスタッペンとダニエル・リカルドの同士討ちを思い出したというホーナー代表。それを受け、自由にレースをしてもいいが、同じような同士討ちは許されないと釘を刺していたという。
「2018年のことは、チーム全員の記憶の中にしっかりと刻み込まれていると思う」
そうホーナー代表は語る。
「レース前のブリーフィングでも、ふたりは自由にレースすることができるが、2018年に起きたことの再現を望んではいないと話した」
「そして彼らは、お互い力の限りプッシュし合った」
そしてホーナー代表は、市街地コースでのレースで特に強さを見せるペレスのパフォーマンスを称賛した。
「チェコ(ペレスの愛称)は間違いなく、”市街地の王者”というニックネームに相応しい存在だ」
そうホーナーは語った。
「確かに、セーフティカーのタイミングは、彼にとって運が良かった」
「とはいえリードを奪った後、ある時点では4秒近いリードを築き、レースをコントロールした。セーフティカーのチャンスは、彼は素晴らしい勝利に変えたんだ」
「後からはマックス・フェルスタッペンがやってきている。気楽な状況じゃないよね。でも彼はレースを組み立てていった。チェコのおかげで、マックスも今回は素晴らしいレースを走った」
「ふたりは互いに激しくプッシュし合っていた。ウォールに触れた回数を、競い合っていたと思う」
「しかし我々は、彼らに最後までプッシュさせた。それが、我々のレースに向けたプランなんだ」