元F1ドライバーのジェンソン・バトンは、ル・マン24時間レースでの総合優勝を目指して、WECハイパーカークラスへのフル参戦シートを求めているようだ。

 バトンは100周年記念大会となる今年のル・マン24時間レースで、「未来の技術」のために設けられているエントリー枠”ガレージ56”で参戦する次世代NASCARカップカーをベースにしたマシンを走らせる予定になっている。

 ジミー・ジョンソンやマイク・ロッケンフェラーと共に参戦する今年のプロジェクトに興奮している一方で、バトンは2024年にハイパーカークラスに参戦することを目指しているようだ。

 2018年にSMPレーシングのLMP1マシン『BR1』でWECに参戦していたバトンは、「ル・マンに戻る上で、これ(NASCARプロジェクト)は素晴らしい形だ」と語った。

「ハイパーカーでレースに出たい。僕にはまだハングリー精神もあるし、体力もある。反応も鈍ってない。それでやらない理由はない」

「もっと耐久レースをやりたい。僕にとってそれが楽しいことなんだ。偉大なドライバーやチームと一緒にできるんだ。感情的なジェットコースターなんだ」

 43歳の彼は、ル・マンへの野望を実現するために、WECハイパーカークラスかIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスでフルシーズンを過ごすことを考えるかという質問に、次のように答えた。

「適切なチームとなら、WECでもIMSAでも、8レースを戦うことを考えるだろう」

「LMP1時代に、WECのレースに何度か出たことがあるけど、本当に楽しかった。素晴らしいレースだったし、運転するのも楽しいクルマだった」

「IMSAではレースをしたことがないけど、サーキットは全く違う。IMSAのレースも好きだし、オープンだよ」

 バトンは現在アメリカに在住しているため、IMSAならほとんどのレースに自宅から数時間で参戦できるため、他の仕事と両立しながらフル参戦することが可能だという。

 バトンはSMPレーシングに所属していた際、全8レース中4レースにしか出場しなかった。当時はスーパーGTにも参戦していたこともあって、日程衝突による欠場の他、家庭の事情とLMP1におけるトヨタの優位性を理由にル・マンを欠場している。

 バトンは過去にもIMSA参戦が噂されたことがある。2018年にDPiクラスに参戦することについて、アキュラやペンスキーと話し合いを持ったことがあるのだ。