「エンジニアを信頼していない」と発言して、話題をさらったアルファタウリのフランツ・トスト代表は、主要メンバーのひとりがすでにチームを去ったため、現在はチームを信頼できるようになったこと語る。

 トスト代表はサウジアラビアGPのFIA会見で、チームのエンジニアを「信頼できない」として批判。物議を醸した。他チームの代表も、このトスト代表の発言には驚きを隠さなかった。

 当時トスト代表は、オフシーズンに今季マシンAT04のパフォーマンスが非常に高いと説明を受けていながら、開幕戦バーレーンでは予想したとおりのパフォーマンスを発揮できなかったことに憤慨。次のようにコメントした。

「エンジニアたちは私に、かなりの進歩を遂げることができると言う」

「でも、もう彼らのことを信用していない。実際のラップタイムを見たいだけだ。それだけが重要なのだ」

「冬の間、彼らは今季のマシンは素晴らしいと言っていた。我々は大きな進歩を遂げたと言っていたのだ。しかしバーレーンに来てみたら、どこにも進歩はない。なんて言ったら良いんだろうね?」

 それから数週間が経ち、マイアミGPの会見に登場したトスト代表は、「エンジニアを信用しない」という発言は今も変わらないかと尋ねると、次のように語った。

「ご想像のとおり、私が信頼していなかった人はもういない」

 そうトスト代表は語った。

「そして私が信頼している他の人たちは、良い仕事をしてくれている」

 トスト代表は、”信頼していない”と言及したエンジニアについては詳しく説明しなかった。またチームも、それ以上の詳細を明らかにすることを拒否した。

 しかしその一方で、アルファタウリの空力責任者を務めてきたディコン・バルムフォースは、シーズンが始まった後にチームを離れたことが分かっている。このバルムフォースは、2018年5月にチームに加入し、イギリスのビスターにあるアルファタウリの風洞施設を活動拠点としてきた。

 バルムフォースがF1でのキャリアをスタートさせたのは、2003年のこと。ウイリアムズに加入し、2005年末まで同チームで活躍した後、レッドブル・レーシングへと移籍した。

 レッドブル入り後はエイドリアン・ニューウェイ率いる空力チームの一員として仕事を行ない、2014年にはプリンシパル・エアロダイナミシストに昇格。そして2018年に、アルファタウリの前身であるトロロッソに移籍することになった。