F1第5戦マイアミGPで、マクラーレンはランド・ノリスが17位、オスカー・ピアストリが19位と下位に沈んだ。チームは今回のレースパフォーマンスから、現実を直視させられたと考えている。

 マクラーレンはマイアミGPの予選から苦しんでおり、ノリスが16番グリッド、ピアストリは19番グリッドからのスタートだった。

 ジャンプアップを目指し、マクラーレンは唯一ソフトタイヤをスタートで履いた。ただ、ノリスが1周目のターン1でニック・デ・フリーズ(アルファタウリ)と接触し、最後尾まで転落。またピアストリもスタートで大きくポジションを上げたものの、ソフトタイヤで長く走ることはできずに、序盤のピットストップを強いられた。

 ノリスは接触によるフロア損傷で1周あたり0.2秒のタイムロス。ピアストリにはブレーキバイワイヤの油圧システムにトラブルが発生し、ふたりは後方から浮上することはなくレース終了。そして、マクラーレンがこの結果を重く受け止めているのには、ある理由がある。

 というのも、マクラーレンは前戦アゼルバイジャンGPでフロアに大きなアップデートを投入したばかりで、その際はノリスが9位、ピアストリが11位と好調に見えた。

 しかし、その次のレースでの低迷となったため、マクラーレンは今回の結果は現実を確認させられるモノだと捉えているのだ。チーム代表のアンドレア・ステラは、レース後に次のように語った。

「パフォーマンスの観点から言えば、アゼルバイジャンでまともな週末を過ごした後、我々が現実を突きつけられたということが今回の重要な教訓だ」

「ここで得ることのできた情報は、スロットルやブレーキをオフにした状態でのクルマの改善など、いくつかの開発方向をまだ追求していく必要があることを理解する上で役に立つものだ」

「現時点で、この状態でクルマは機能していない。今回のようなコースでは、あまりにも多くの制限を受けている」

 また、ステラ代表はマイアミGPでポイントを獲得するためには、レースでセーフティーカーが出動するようなアクシデントが必要だったと語った。

「我々は今回、レース中にセーフティーカーのような出来事が必要だったが、何も起こらなかった」

「そのため、パフォーマンスの限界を状況面の要素から覆すこともできなかった」

「そうして我々は“ノーポイント”で帰ることになった」

 なおノリスはレース後、マイアミGPでは特にマクラーレンが苦戦していたと語り、落胆していた。

 ノリスは次のように苦しい状況を振り返った。

「このコースは僕らに合っていない。ロングコーナーも気温も、舗装も僕らとは合わない。何事にも、様々な側面があるんだ」

「この週末、他のどのチームも遅くないようだった。唯一、アルファタウリが遅かったかも……他の皆はかなり速かったよ」

「アルファロメオは相当速くて、ハースもそうだった。アルピーヌもかなり速かったと思う」

「僕らがこれまでのイベントから大きく異なっていたとは思っていない。多くはクルマの特性によるものだと思う。私見だけどね」

 なおデ・フリーズとの接触については「何が起こったか分からない。ただ当たっただけだ」と語り、もう少し早いタイミングでのブレーキを勧めている。

「彼は最近こういうことが続いているし、少し早くブレーキをかける必要があるんじゃないかな。でも、この件で僕の1日はたいして変わらなかったよ」