今季のF1で、フェルナンド・アロンソが5戦中4回表彰台を獲得するという安定したパフォーマンスを見せているアストンマーチン。その秘訣について、マイク・クラック代表が語った。

 今季はレッドブルが圧倒的な強さを発揮している一方で、メルセデスやフェラーリはレース毎に予選やロングランの調子が大きく変動している。しかしアストンマーチンのパフォーマンスは毎回安定しているため、レッドブルに次ぐリザルトを記録することに成功しているのだ。

 この秘訣についてクラック代表は、チームが開発やセットアップの面でギャンブルをしていないことを示していると語った。

「それは我々が強いチームであることを示している」

 アストンマーチンの安定感について、クラック代表はそう語る。

「我々はギャンブルをしているわけでも、クジ引きをしているわけでもない。データや結果に基づいた選択をしているのだ」

「そしてそれは、我々が安定している理由のひとつだ」

 しかしそんなアストンマーチンも、マイアミGPでは失敗する場面もあった。

 彼らはソフトタイヤを1セット温存するため、予選Q1でランス・ストロールがユーズドのソフトタイヤで2回目のアタックに臨んだ。しかし路面状況が大きく改善される中でこの作戦が裏目に出てしまい、ストロールは18番手でQ1敗退に終わってしまったのだ。

「我々は大きなミスを犯した」とクラック代表は言う。

「開発という面ではミスがなかったのだが、予選ではそうもいかなかった」

 今季はまだ18レースが残されており、2023年シーズンの開発競争も始まったばかりと言える。そんな中、アストンマーチンが2022年のように急速な開発を進めてフェラーリやメルセデスと張り合っていけるかには依然疑問が残る。

 クラックは、夏場のベルギーGPのような高速コースでどれほどの力を発揮できるのかについては疑問符がつくという。

「モンツァ、ラスベガス、スパについてはクエスチョンマークがつく」

「しかしまだ時間はあるので、開発を進めることができる」

「チームとして、マシンがどのような挙動を示すのか、ライバルと比較してどうなのかを学ぶ必要がある。メルセデスが大きなステップを踏んでいるという話は方々で聞いているので、我々も気を抜くわけにはいかない」

「しかし、ひとつのレースに集中するのではなく、それぞれのレースでベストを尽くすことが重要だと思っている」