怪我の影響から、開幕戦ポルトガルGPを最後にMotoGPから離れていたマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)。復帰戦となる第5戦フランスGPの初日では、カレックスが設計した新シャシーの確認作業などに追われた。

 そんなマルケスは走行初日を総合8番手タイムで終えたため、土曜日に行なわれる予選でのQ2直接進出を決めている。なお、この時のベストタイムはカレックスのシャシーで記録されたものだった。

 マルケスは、この新シャシーが間違いなくパフォーマンス改善に繋がるものであると感じている。しかしその一方で、それだけでホンダが苦境を脱して先頭争いに返り咲けるわけではないと考えているようだ。

 新しいシャシーはホンダの問題解決に繋がるものだと感じたか? そうmotorsport.comに問われたマルケスは次のように答えた。

「このサーキットの一部エリアでは一歩踏み出した感がある。たださらなるステップが必要だ」

「必要なステップはこれだけではない。もっと必要なんだ。僕たちはまだかなりの部分で遅れている。ストレートでの加速が悪いので、かなりブレーキ(に頼った走り)をしている状態なんだ」

「ブレーキが強くなることでフロントに負荷がかかってしまう。それでホンダ勢は何度も転倒しているんだ」

「でもそうやって頑張り続けないといけないし、僕は将来に向けた解決策を探るためにプッシュし続ける男だ」

 無事予選Q2進出を決めたマルケスだが、FP1で1回、FP2でタイムを出しにいくタイミングで1回転倒を喫している。

 怪我により既に3レースも欠場しているマルケスだが、それによって本来の全力全開なスタイルを崩すことは自身のポリシーに反すると考えているようだ。

「ライダーの90%は、こういった時に気楽に一歩一歩進んでいくだろうね」とマルケスは言う。

「でも僕はそうではない。復帰する時はレースへの準備ができているということだし、全力を出してチームのために働ける準備ができているということだ」

「そしてチームのために働くということは、限界まで攻められるということだ。もちろん、他のホンダ勢からコンマ5秒ほど遅れてQ2進出を逃すということを受け入れることもできる」

「でもそれは僕のやり方ではない。僕は今日限界を試した。朝(FP1)のクラッシュに関しては、履いていたタイヤなどの兼ね合いもあって、避けられたと思う。あれだけは“必要ない”と言えるものだった」

「でも午後のクラッシュに関しては、8番手でストレートを通過して、プッシュしていた時だった。そうでないと、イエローフラッグが出てみんなのタイムが上がらない場合以外、Q2に進むことができないと思ったからだ」