【MotoGP】クアルタラロ、苦境続くヤマハのマシン開発に自信ナシ「早く解決策を見つけなければならないけど……」
クアルタラロは2021年に5勝を挙げてフランス人初のMotoGP王者に輝いたが、2022年のタイトル防衛に失敗。2023年は5戦で表彰台は1回のみと、明らかに戦闘力を落としている。
ヤマハはスペインGP後に行なわれたヘレステストで多くの新パーツを持ち込んだが、それを試したクアルタラロはどれも上手く機能しなかったと語っている。
フランスGP初日、クアルタラロは2023年はMotoGPキャリアで最も厳しい時期に直面しているとコメントしたが、予選ではQ2進出できず13番手。さらにスプリントでは8番手走行中に転倒と、苦境は続いている。
ヤマハはマシンの改良方法を理解しているのか、という質問に彼は次のように答えた。
「自信? あるとは言えないだろう。僕たちはたくさんのモノを試したけど、どれも良い方向に作用しなかったからだ」
「でも、できるだけ早く解決策を見つけなければならない。このレースの後は3週間のオフがあるけど、残念ながら今の問題はパワーに関するものなんだ」
「僕がオーバーテイクできるポイントは……一般的にもそうなんだけど、ターン3とターン8、ターン9だけなんだ。でもコーナー出口での加速が悪くて、(ライバルが)0.1〜0.15秒のアドバンテージを得てしまう」
「ターン1をもっと速く走って、ターン3でオーバーテイクすることはできないんだ。もっとダウンフォースを使うには、パワーが必要なんだ。僕らが使っているウイングを他と比べると、本当に小さいからね」
パワー不足はヤマハの長年の課題だったが、今年はエンジンのパワーが上がっているように見えた。クアルタラロは、パワーアップしたことでバイクの長所が失われたとまでコメントしているが、それでもトップスピード不足が主な苦戦の原因であるとしている。
「エアロを思い通りに使うには、馬力が十分じゃないんだ」と彼は説明する。
「1速ギヤでバックストレートに入るオースティンのような時には、もう少しパワーがあってもいいけど、フロントに荷重をかけるためのウイングがなければそれを使うことができない」
「オースティンのストレートでルカ(マリーニ/VR46)に抜かれたことを除けば、コーナーからの加速も本当に遅い。そしてこのコース(ル・マン)でも同じようなことが起きている」
ヤマハは以前、若干非力なもののコーナリング性能に定評のあるバイクだと評価されていた。しかし空力デバイスの開発が進んだことに伴い、今はパワーとダウンフォースを活かしてコーナーを曲がり、ロケットのように加速するバイクがMotoGPの覇権を握っており、ヤマハは痛みを伴う適応を迫られている。