MotoGP2023年シーズンのチャンピオン争いは、第5戦を終えた時点ではフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)がランキング首位となっている。彼は、王座防衛に向けた戦いの中で、スプリントレースの存在が助けになっていると語る。

 バニャイヤは昨年MotoGPで初王者となり、今年は連覇のかかったシーズンとなっている。

 彼は開幕戦でスプリントレース、決勝レースを共に勝利する完璧なスタートを切っていた。しかしその後第2戦、第3戦と決勝での転倒が連続。第4戦スペインGPでは2勝目を挙げて立て直したように見えたが、第5戦フランスGPでは再び決勝で転倒。5戦中3戦でDNFと浮き沈みの激しい結果と言えるだろう。

 しかしそれでも第5戦終了時点でバニャイヤはわずか1ポイント差ながらもランキング首位を維持している。彼は現在獲得した94ポイントのうち、44ポイントをスプリントレースで獲得。今年から始まったスプリントが、バニャイヤにとって大きな助けとなっているのだ。

「スプリントレースが助けになっているのは間違いない」と、バニャイヤは言う。

「スプリントがなければ、僕は遠く離されていただろうね」

「僕は(決勝レースで)50ポイントを獲得している。そして、スプリントレースでは44ポイント獲得だ。だから、間違いなく助けになっている」

「でも今年は常に僕らが先頭に立ってリードしていて、他のライダーの順位の入れ替わりが激しいのは確かだ。それが、僕がまだギャップを保てていることの理由でもある」

「何年か前には4人のライダーが先頭を争っていたから、3回もリタイアしていたら無理だったよ。ひとつのミスがタイトルを決める可能性があったんだ」

「だからかなり変わったね。たぶん今の僕らは大体同じパッケージを手にしていて、誰もがレースで勝つ可能性を持っているせいだろう」

「おそらくエアロダイナミクスやその他の理由で僕らは限界に近づいている」

「少し前の序列では、ファクトリーチームが前にいて、その後ろにインディペンデントチームのバイクとが続いていて、彼ら(インディペンデントチーム)はラップごとにコンマ5〜7秒遅かった。そして、それが大きく変わったんだ」

 なおバニャイヤはチャンピオンを獲得した昨シーズンも5回のDNFを記録。一時はポイントリーダーに対して91ポイントと非常に大きなビハインドを背負っていたものの、それを覆して王座に輝いている。