今シーズンも苦戦を強いられているメルセデスF1。しかし同チームの代表であるトト・ウルフは、今季からチームに加入した元レッドブルCOO兼人事ディレクターのジェーン・プールの存在が、チームを再浮上させるきっかけになると考えているようだ。

 メルセデスは今シーズン、元レッドブルのCOO兼人事ディレクターのプールを獲得。彼女の役割は、メルセデスの現在のインフラの長所と短所を評価し、改善の余地があると思われる点についてアドバイスすることだ。

 ウルフ代表はこのプールの「法医学的プロファイリング」を含めた貢献を賞賛する。

「ジェーンのことは、この10年ずっと感心していたんだ。彼女とは10年前に知り合い、そしてずっと敬意を払った関係を続けてきた」

 ウルフ代表はmotorsport.comの独占インタビューでそう語った。

「彼女はライバルチームのために働いていた。しかしライバルチームで働く人のことを尊敬することはできるし、彼らのパフォーマンスも認める。私の意見では、レッドブルでの彼女の役割は、チームが成功する上で非常に大きな部分を占めていたと思う」

「多くの人間関係が自然に終わるのと同じように、その関係も終わりを迎えた。私はずっとジェーンを起用したかったんだけど、そういう選択肢はなかった。でも今、それを実現することができたんだ」

「彼女は、素晴らしい人材だ。彼女は多くのノウハウを持っており、優れた心理学者であり、他の組織を見た経験があり、全員のことをよく知っている。そして彼女は、F1に関わる全ての人たちの、法医学的プロファイルを作成してきた。彼女の目は、組織にとって非常に強力な力となる」

 メルセデスは2014年から2021年まで、8年連続でコンストラクターズタイトルを獲得するという大成功を収めた。しかしさらなる成長を遂げるためには、プールのような外部の人材を迎え入れることが必要不可欠だと、ウルフ代表は語る。

「時折、組織が成熟し、そのプロセスと戦略に従い、それが成功していたとしても、外部の視点を得る必要がある」

「組織を再構築するというわけではない。しかし、昨日の仮定が今後も十分に競争力があるのかどうか、それを検討する必要がある。だから誰かが新鮮な目線で参加し、中立の立場でそれを見てくれるのは有益なんだ」

「だから成功している組織であっても、時には優秀な外部の人材を採用する必要がある。それが、次のステップに進むのに役立つんだ」