メルセデスF1、ファクトリー施設を改修へ。目指すはシリコンバレースタイルの働き方改革?
今回発表されたのは、メルセデスがインフラとスタッフの為に計画した7000万ポンド(約120億円)の投資計画の一部。チームスタッフの作業環境を改善すべく、今後はレストランやレジャー施設、新たなマーケティングビル、歩行者エリアの設置などが行なわれることになる。
チームはファクトリーでのレース部門の能力を高めるために行なわれてきた開発作業と、今回発表されたプランによって、F1における全体的な能力向上に役に立つと考えている。
メルセデス代表のトト・ウルフは、motorsport.comに対し改修計画について次のように語った。
「ブラックリーのキャンパスは350人を収容するように建設されていたが、今では1250人が働いている」
「過去5年間に渡って行なわれてきたキャンパス開発は、驚くべきペースで実施されてきた。そして今では、最先端の設備を備えたF1チームとなっている」
「しかし我々の計画しているモノは、新たな複数の建物によってキャンパスを拡張し、多くの休憩スペースやレストラン、最先端の事務や新たなマーケティングビルの設置、クルマを入れない区域を作ることなど、モダンなスタイルのキャンパスを作ることなんだ」
「我々はキャンパスが小さな自分たちの村となって欲しいと思っている。シリコンバレースタイルの環境に期待される全ての設備と利点を備えているんだ」
メルセデスはF1における長期的な成功を確実にするための鍵は、人材と彼らが働く環境への投資だと考えている。イギリスで進行中の10%のインフレに合わせて、2023年の給与を上げたことも、その一環だ。
そしてウルフ代表はさらにこう付け加えた。
「これは我々の従業員のために行なわれていることだ。我々は別に建築で賞をもらおうとしているわけではない」
「20年前に一部のライバルチームが行なっていたように、迷走してデザイン性を押し出すようなことではないんだ。設備は機能に沿ったものであるべきで、その逆であるべきじゃない。ただ、働く時間を過ごすための素晴らしい場所とするために、様々なことを行なっているんだ」
メルセデスは施設改善のために30のプロジェクトを走らせており、これまでに4000万ポンド(約68億円)を投資。今後の段階ではさらに3000万ポンド(約51億円)を投じる予定だとしている。
なおファクトリー施設の改善においては、二酸化炭素排出量の実質ゼロのためにも100%再生可能エネルギーの電力が使用されることになる。また施設内には太陽光発電システムも置かれる予定だ。
さらに生物多様性の発展の支援や、建築物には可能な限り再利用可能およびリサイクル可能な素材を使用することも推進されている。新棟ではオフィス廃棄物の60%以上のリサイクル率も目標とされている。