ヤマハからWSBK(スーパーバイク世界選手権)に参戦中のトプラク・ラズガットリオグルは、今季限りでの同陣営離脱し、来季からBMWへ移籍することが発表。噂されていたMotoGP参戦は実現しないことになった。

 ラズガットリオグルは、WSBKでは当初カワサキに所属。2020年にヤマハへ移ると、2021年には自身初WのSBKチャンピオンに輝いた。

 2022年は防衛に失敗しランキング2位となり、今シーズンも第4ラウンドまでを終えた現時点でランキングは2番手となっている。

 ラズガットリオグルは2024年以降に向けて、MotoGPに転向する可能性が噂されてきた。特にヤマハMotoGPで苦戦中のフランコ・モルビデリが今年限りで契約満了となるため、その後任として起用されるのではないかと言われていたのだ。

 なおラズガットリオグルは昨年、今年と2回にわたってMotoGPマシンのテストを経験済み。それだけに可能性が十分にあると見られていた。

 ただ5月22日(月)にヤマハは、ラズガットリオグルが2023年限りでチームを離脱することを発表。そしてBMWが2024年から彼を起用することを発表したため、MotoGP参戦の可能性は消え去った。

 ラズガットリオグルは離脱の発表に寄せたコメントの中で、MotoGPマシンではWSBKのマシンと同じようなつながりを感じることができなかったと語っている。

「ヤマハ・ファミリーが示してくれた愛と敬意に心から感謝している。契約したとき、世界選手権のタイトルを獲得することが僕の夢であり、ヤマハとともにそれを達成することができた」

「来シーズンは新しいチャレンジが必要だと考えており、MotoGPのチャンスもあったが、MotoGPマシンについてはスーパーバイクのマシンと同じようなつながりを感じることができなかった。もしスーパーバイクに留まるなら、新たな目標が必要だ。ヤマハというブランド、そしてその人々ととても良好な関係を築いてきたので離れることは残念だけど、どんなスポーツでも変化はつきもので、プロフェッショナルにとっては普通のことだと考えている」

「ヤマハ発動機、Yamaha Motor Europe、Yamaha Motor Turkiye、Pata Yamaha Prometeon WorldSBK Team、そして僕のために全力で働いてくれたチーム・クルーに心から感謝の気持ちを伝えたい」

 そしてラズガットリオグルを迎え入れることとなったBMWは、BMW Motorrad代表のマルクス・シュラムが次のようにコメントした。

「トプラク・ラズガットリオグル、ようこそBMW Motorradモータースポーツファミリーへ」

「来シーズンから彼を我々WSBKファクトリーチームに迎えられることを嬉しく思う。トプラクがBMW Motorradへ加わる選択をしてくれたことを誇りに思っている。これは我々のプロジェクトにとって前向きな一歩であり、WSBKにおけるBMWの強いコミットメントでもある」