F1の2023年シーズンを圧倒的な強さで支配しているレッドブル。しかし、今週末のモナコGPでは苦戦するかもしれないとセルジオ・ペレスは語っている。

 これまで行なわれた5戦で、レッドブルはマックス・フェルスタッペンとペレスの2人によって全戦全勝を記録。圧倒的な強さで今シーズンをリードする存在となっている。

 だが、モナコGPではそうもいかない可能性がある。レッドブルの強さは高速コーナーの安定性と最高速にあるとされているが、モナコGPの舞台であるモンテカルロ市街地コースは、曲がりくねった公道の低速サーキットとなるため、レッドブルの強みはそれほど重要な要素とはならないのだ。

 レッドブルが敗れる可能性がある……そんな推測もある中、当のドライバーであるペレスも、モナコではこれまでよりも苦戦する可能性はあると認めた。

「ここが僕らが最強となるサーキットではないことは、ちゃんと分かっている」

「僕たちの強みを発揮するには、少し苦労するだろうとね」

「土曜日(予選)では、タイヤのウォームアップが本当に重要になってくる。それが間違いなく鍵になる。僕らが最強のサーキットではないとしても、様子を見てみよう。ここはモナコで、何が起こってもおかしくないんだ」

「フェルナンド(アロンソ/アストンマーチン)やフェラーリは、バクー(アゼルバイジャンGP)みたいにかなり強いだろうし、そこにメルセデスも加わってくるかもしれない」

 そしてチームメイトのフェルスタッペンも、モナコGPがこれまでよりも難しくなる可能性があると認めている。 

「互いに接近して、もう少し難しくなってくるだろうね。でも僕らは良いクルマを手にしているし、そこから最大限の力を引き出そうとするだけだよ」

「通常、1周のアタックが僕らの強みじゃないことはもう分かっている。でも今年は結構ポールポジションを獲得しているし、可能性はあるよ。もちろん、モナコでは常にサプライズが発生する可能性はあるけどね」



 モナコにおいてレッドブルの優位性が削がれると予想されているのは、コースレイアウトによるもの。これまでとは異なる挙動がクルマに求められるからだというのは、フェルスタッペンも認めるところだ。

 ただ一方で彼は、RB19がモナコという特異なコース特化型ではなく、その他のコースで強さを発揮する汎用性を持ったクルマであるという意味なら、喜んでそれを受け入れると語っている。

「マシンだけじゃなくて、コースレイアウトが重要なんだ。ここのコーナーはタイトで、すごく遅い。これは通常のコースと比べてマシンにかなり異なる動きを要求してくるし、ドライビングの面でもそうなってくる」

「こういったコンディションで完璧に機能するクルマもあれば、そうではないクルマもある」

「僕はその他(モナコ以外)のコースの大部分で速いクルマのほうが好ましいと思う。モナコに向けては理想的ではないけど、問題はないよ」

「僕らも良い結果を残したいと思っているけど、シーズンの1レースに過ぎない。勝ちたくてもそうできないのなら、ポイントを確保していくだけだ」