モナコ・モンテカルロ市街地サーキットで伝統のF1モナコGPが開幕。最初のセッションとなるフリー走行1回目では、フェラーリのカルロス・サインツJr.がトップタイムを記録した。

 前戦エミリア・ロマーニャGPが洪水被害によって中止となったことで、モナコGPはマイアミGPから3週間ぶりのグランプリ。初日となる金曜日は予報と異なり快晴。気温26度、路面温度48度と温かいコンディションの中、1時間のセッションが開始された。

 いかに壁スレスレまで攻めることができるかが求められるモナコGP。各ドライバーは1年ぶりのモンテカルロ市街地サーキットに慣れるべくコースイン。多くのドライバーがハードタイヤを履いた。

 2021年のモナコウィナーであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、最初のピットアウト時からクラッチの違和感を訴え、その後はマシンの底づきに関して不満を語った。

 メルセデスは、前戦エミリア・ロマーニャGPで投入予定だった大型アップデートをモナコに持ち込んだ。それまでの”ゼロポッド”を見限り、レッドブル風のサイドポッドなどを装備。極低速のモナコでアップデートの真価を図ることはできないが、一戦でも早く新パッケージを導入した形だ。

 ウイリアムズはリヤウイングとビームウイング、レッドブルはリヤウイング右側にフロービズを吹き付けて走行を実施したが、これはモナコに持ち込んでいるハイダウンフォース仕様パッケージの効果テストだろう。

 セッション序盤は、ミディアムタイヤを履くフェラーリ勢がタイムシート上位に。マシンへの違和感を訴えていたフェルスタッペンはガレージへ戻り、メカニックが修正作業を実施した。

 セッション折返しを前に多くのドライバーが1回目のタイヤセットでの走行を終える中、ウイリアムズのローガン・サージェントにトラブルが発生。リヤタイヤが正しく装着されていなかったようで、サージェントはスロー走行に……ただ、ガレージにたどり着くことができたため、セッションが中断されることはなかった。

 セットアップ変更を行なって再び走行を開始したフェルスタッペンを含め、ほとんどのドライバーが2セット目にミディアムタイヤを装着した。

 しかし、残り25分というところでニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)が、ヌーベルシケイン入り口のウォール左側にリヤタイヤをヒット。3輪状態でガレージにマシンを戻したものの、コース上には赤旗が提示された。

 ただ、この赤旗の原因はヌーベルシケインに散乱したデブリを回収するため。多くの時間を要することはなく、すぐさまセッションは再開された。

 多くのドライバーはユーズドのミディアムタイヤで再びコースへ戻り、順調に周回を重ねたが、残り4分というところでウイリアムズのアレクサンダー・アルボンがクラッシュ。ターン1の縁石にタイヤを乗せた瞬間にリヤを流し、アウト側のウォールに激しくヒット。マシン左側が大きく破損した。

 アルボンのクラッシュによりセッション2度目の赤旗が提示され、そのままセッション終了となった。

 FP1のトップタイムはカルロス・サインツJr.(フェラーリ)が記録した1分13秒372。2番手のフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)に対して0.338秒差をつけた。

 3番手は1分14秒035のルイス・ハミルトン(メルセデス)、4番手にセルジオ・ペレス(レッドブル)が並んだ。

 フェルスタッペンはそこからシャルル・ルクレール(フェラーリ)を挟んで6番手。終始マシンの手応えを掴めていない様子だった。

 アルファタウリの角田裕毅は29ラップを周回し、1分14秒820で13番手。チームメイトのニック・デ・フリーズは16番手だった。