メルセデスF1、モナコGPに投入したアップグレードを解説。ハミルトンは好感触「ファクトリーの皆に感謝」
この今回投入したアップグレードについて、メルセデスが詳しく説明した。
昨シーズンから、異彩を放つゼロポッドを使い始めたメルセデス。今季は若干大きくなったものの、他のマシンにはない、独特の形状であるのは変わらなかった。
しかしメルセデスは昨年から低迷。今季もそれは変わらず、マシンのコンセプト変更も辞さない構えを見せていた。そしてそれが具現化したのが、今回のモナコGPである。
メルセデスはブラックリーのファクトリーで、マシンに変更を加えるべく懸命に作業に取り組んできた。彼らはダウンフォースを得ようとしただけでなく、ドライブしやすいマシンにすることを目指した。そのため、サイドポンツーンの違いが目を引くが、フロントサスペンションやフロアの変更の方が重要かもしれない。
モナコGP開幕を前に、メルセデスは今回施した6つの変更の理由について、次のように説明している。
【フロントサスペンション】
上部ウイッシュボーンのフロントアームの内側取り付け点が持ち上げられている。この変更によりウイッシュボーンの後方に向かう気流の位置が変更され、サイドポンツーンに当たる気流が改善され、冷却性能が向上する。
【フロアフェンス】
フェンスのキャンバーに局所的な負荷の変化があり、その結果ディフューザーの流れが改善する。これにより、リヤのダウンフォースが増えるはずだ。
【サイドポンツーンインレット】
幅が広く、高くなったサイドポンツーンの開口部により、フロア端への気流が改善され、フロアの負荷が増し、マシン後部のコーナー部分へ向かう気流も改善される。
【サイドポンツーンとボディワーク】
ボディワークの幅が増すことで、局所的にダウンフォースが増加し、リヤウイングとリヤコーナーへの気流も改善される。
【リヤウイング】
リヤウイングのフラップのキャンバーが増加し、リヤウイングの負荷が増加する。その結果、マシン後方の圧力が下がり、フロア後部への負荷が増加する。
【リヤブレーキダクトウイングレット】
ケーキ型ウイングレットの2番目のカスケードを、追加のウイングレット列に追加し、局所的にウイングレットの付加を追加した。これにより、サスペンションの下のアーム後方の圧力を低下させ、負荷を増加させている。
これらの説明は、メルセデスが自ら今回のアップグレードについて解説したものであるため、そのまま鵜呑みにするわけにはいかないかもしれない。
なおモナコGP初日を終え、特にルイス・ハミルトンはアップデートに好感触を得たようだ。
「マシンを開発するのは簡単なことではない。ファクトリーのみんなに感謝したいと思う」
「ここはアップグレードするのに適した場所ではないけど、マシンの感触は概ね良好だった。期待していたほど接近できなかったけど、間違いなく改善を感じたよ」