左フロントタイヤの断末魔の叫びが聞こえる……? コースレイアウト“原点回帰”のF1スペインGPに向けドライバーは不安も
今季のF1ではタイヤマネジメントが鍵となっており、いくつかのチームがそれに苦戦する一方で、レッドブルが明確な優位性を示してシーズンを独走している。フェラーリもタイヤに苦しんでいるチームのひとつだが、シャルル・ルクレールは、改修されたトラックで行なわれるスペインGPに向けて次のように語った。
「左フロントタイヤはレース中ずっと悲鳴を上げていると思う」
「これは誰にとっても同じで、左フロントをいかに守るという点でもセットアップは難しくなるだろう」
「バルセロナではこれが重要になるだろうから、新しく持ち込むパーツがタイヤマネジメントにも効くことを期待している」
マクラーレンのランド・ノリスも、新たなレイアウトがドライバーにとってより過酷なものになるだろうと語る。
「首への負担が大きくなるだろうから、全く楽しみではないね」
「最終コーナーは正直トリッキーだ。全開で走れるとは言わないけど、レースを面白くするかもね」
「ここまでも既にタイヤマネジメント競争になっているけど、これまで以上にタイヤマネジメントのレースになるかもしれない」
このように、今回のスペインGPはよりタイヤに厳しいレースになると見込まれているが、チーム側も万全な準備をしている様子。ウイリアムズのパフォーマンス責任者であるデイブ・ロブソンはこう語る。
「タイヤ、特に左フロントタイヤがどう反応するかが非常に興味深い」
「4つの大きな高速右コーナーがある。ダウンフォースレベルやバランスなど、今回のレースで必要なものに関しては、これらのコーナーを基準に決まるだろう」
またアルピーヌのスポーティングディレクターであるアラン・パルメインは、タイヤへの負荷が強いことに関してはあまり問題視していない。
「左フロントには負荷がかかるだろうが、我々は(モナコでの)最も柔らかいタイヤから最も硬いタイヤに移行する」
「他の誰かよりもそれが問題になるとは思っていない。2ストップになるとかそういった可能性はあるが、我々のマシンが特にタイヤに厳しいわけではないから、問題はない」
一方でピレリのF1責任者であるマリオ・イゾラは、シケインから加速するセクションがなくなったことで逆にリヤタイヤへの負荷は軽くなると指摘する。
「左フロントはこれまでよりも少しキツくなるかもしれないが、以前はセクター3がトラクションのストレスが大きかったことを考えると、リヤタイヤはそうでもないだろう」
「横方向(の負荷)が少し大きくなり、トラクションが少し減った。チームとはシミュレーションもしているし、F3とF2でのインシーズンテストもあったので、我々にはアイデアがある」
「今回はC1、C2、C3を持ち込む。昨年は今で言う“C0”を使ったが、硬すぎた。皆C2やC3を履き、3回ストップした」
「新しいC1はC2と近いので、3つのコンパウンドを全て使うような戦略も考えられる。もう少し計算が必要だが、おそらく2ストップレースになるだろう」