MotoGP2023年シーズンは5戦を終えた段階では昨年王者のフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)が首位を維持。ただ、今シーズンのタイトル争いは昨年同様に極端な展開を見せるかもしれないと、ジャック・ミラー(KTM)は指摘している。

 昨年初のMotoGP王者となったバニャイヤ。しかし序盤から好調だったわけではなく、一時は91ポイントもの大差をつけられ、タイトルは絶望視されたところからの、大逆転劇の末の王座獲得だった。

 今シーズンのバニャイヤは2勝を記録している一方で、残る3レースはいずれも決勝ノーポイントと、取りこぼしが多くなっている。そのためランキング首位と言っても、2番手のマルコ・ベッツェッキ(VR46)との差は僅か1ポイントだ。

 KTMのミラーは第5戦までを終えた段階で、今年のチャンピオン争いも、昨年のように極端なモノとなるだろうという予測を語っている。

「この5戦を通じて、様々な出来事を見てきた」

「今年のチャンピオンシップはこうやって続いて行くと思う。昨年と同じように、極端な争いの1年になるだろう」

「(速い)バイクがたくさんあるし、皆が競争力を備えている。ある週末に苦戦していたライダーが、次の週には他を引き離すなんてのが見られるんだ」

「だから評価も難しいし、正直言って真のライバルを理解するのも大変だ。ただペッコ(バニャイヤの愛称)は、本命ではある」

 なお2023年シーズンからMotoGPでは全戦でスプリントレースが開始された。序盤戦はアグレッシブな動きから転倒も多く発生しており、スプリントを批判する声も上がっている。

 ミラーは今季の戦いについて、ライダー同士が極めて接近していることから「全員が非常に大きなプレッシャーを感じている」と語った。

「このチャンピオンシップは接戦なんだ」

「誰もがとても優れているし、バイクはどれも高い競争力がある。ライダーが98%のフィーリングを感じていなければ、その日は最悪の1日になってしまう」

「説明のしようがない。チャンピオンシップは絶好調で、素晴らしいレースが行なわれている」

「まあ確かに、結構接触が起こっている。でもそれら全部が、レースの一部なんだ。皆がとても大きなプレッシャーを感じているし、得るものもあれば、失うものもある。そこに参加できていて嬉しいよ」