6月4日、WEC第4戦ル・マン24時間レースの公式テストが計6時間行なわれ、午前午後共にフェラーリ499Pがトップタイムを記録した。

 常設コースと公道区間を組み合わせたコースであるサルト・サーキット。公式テストはフルコースを走れる貴重な機会となる。

 天候にも恵まれ、午前10時から3時間のセッションがスタート。途中デブリ回収のためにセーフティカーが出動するシーンもあった。今年のル・マンはセーフティカー時の手順が変更され、各クラスで隊列が整理されるが、その手順もテストされた。

 セッション残り1時間を切ってから各車がタイムを上げていったが、ポール・ディ・レスタがドライブする93号車プジョー9X8がストップし、赤旗が掲示された。

 その後セッションが再開されると。ハイパーカークラスのマシンが続々とタイムを上げていったが、残り2分を切ったところでトヨタ7号車のマイク・コンウェイがクラッシュ。これでセッションは赤旗終了となった。

 トップタイムはアントニオ・フオコが3分30秒686を記録したフェラーリ50号車。2番手にプジョー94号車、3番手はポルシェのカスタマーであるJOTA38号車というトップ3に。トヨタは7号車が3分31秒856で5番手、8号車が8番手という結果だった。

 LMP2クラスはクール・レーシング47号車が最速。LM-GTE AmクラスはJMWモータースポーツの66号車フェラーリがトップだった。

 NASCARマシンをモディファイしてガレージ56枠での参戦となっているヘンドリック・モータースポーツの24号車シボレー・カマロZL1は、LM-GTE Am上位勢と同等のタイムを記録した。

 後半3時間のセッションは、現地15時30分からスタート。午前のセッションでクラッシュしたトヨタ7号車のダメージは幸いボディワークのみだったようで、問題なく走行に参加できた。

 セッション序盤から、フェラーリ499Pの51号車が首位に立つが、キャデラックVシリーズ.Rの2号車が3分30秒874をマーク。午前のセッション以上に各車が積極的にタイムを出しにいった。

 セッション開始1時間を前に、フェラーリ51号車のアントニオ・ジョビナッツィが3分29秒648をマーク。これがセッション最速タイムとなった。

 その後は、LMP2クラスのIDECスポーツ48号車とニールセン・レーシング14号車の接触によるセーフティカー出動もあったが、セッション中断はなく各車が精力的に周回。ただハイパーカークラスは目立ったタイム更新はなかった。

 セッション最速はフェラーリ51号車。2番手には3分29秒648を記録した6号車ポルシェが入った。

 トヨタは7号車の小林可夢偉が終盤に3分29秒827を記録し3番手、8号車が9番手。テストデーを前に行なわれた”ルール外”の性能調整により、最も大きなハンデを背負ったトヨタ勢がフェラーリやポルシェに対して苦戦を強いられているように映る結果となった。

 LMP2クラスはJOTA28号車、LM-GTE Amクラスは午前と同じくJMWモータースポーツの66号車フェラーリが首位。3番手には木村武史もドライバーにラインアップされているケッセル・レーシング57号車フェラーリが食い込んでいる。

 ル・マン24時間のレースウィークは、7日水曜日のプラクティスからスタート。決勝レースは6月10日の16時(日本時間23時)にスタートする。