フェラーリ、最大の問題は”一貫性”。安定しないレースペースを「理解するのも修正するのも非常に難しい」
スペインGPでは、前述したようにサインツJr.が予選2番手となったものの、シャルル・ルクレールはマシンのリヤに違和感を感じQ1敗退。マシンのリヤエンドを変更したため、ルクレールはピットレーンスタートとなった。
決勝ではふたりとも気難しいマシンに苦しめられた。結果サインツJr.が5位、ルクレールは思うようにポジションを上げることはできず11位と、入賞すら逃した。
フェラーリのバスール代表は、マシンの問題について次のように語った。
「我々にとっての主な問題は、走行中のポテンシャルでも、特定のタイプのコーナーでもないと思う」
「主な問題は一貫性なんだ」
「例えばシャルルのマシンは、同じコンパウンド(ハード)のタイヤで第1スティントと第3スティントを走った。第1スティントはバランスがおかしかったのに対し、第3スティントはまあまあの出来だった」
「カルロスは最初のスティント(ソフトタイヤ)と最後のスティント(ハードタイヤ)はうまくいった。だがミディアムタイヤで走った第2スティントでライバルに対して15〜20秒失ってしまった」
「理解するのも修正するのも非常に難しい。いつも同じ問題とは限らないからだ」
これまではレースでタイヤのデグラデーションに苦しむことも多かったフェラーリだが、スペインGPではデグラデーションは問題ではなかったとバスールは言う。
「もっとプッシュすれば、タイヤのデグラデーションが問題になった可能性はある。でも、それが主な問題ではないんだ」
「カルロスは最後の2、3周はちゃんとしたペースで走れた。つまりタイヤがダメになっているわけではないんだ。シャルルは1周目から、第1スティントのバランスに不満を持っていた」
バスールは、トラフィックにより生まれる乱流が、苦戦の原因ではないかという指摘にも否定的だ。
「予選はフリーエアで、レースはそうでないというのも事実だ」
「しかしカルロスの第2スティントを見れば、彼はフリーエアで走っていたが大惨事だった」
バスールは、チームが一貫性の問題を解決するために、もっと開発に力を入れなければならないことを認めた。
「おそらく一貫性の問題における開発について、少し舵を切ることができるだろう」
そうバスールは言う。
「もう少し運転しやすくするための何かを手に入れる方向に舵を切っている。それが、この数ヵ月あるいは数週間の間で、我々が採った方向性だ」
「一時期よりは少し安定してきたと思う。シャシー面での問題というよりは、スティントごとの問題なんだ。もしシャシーの問題なら、常に問題が出るはずだ」
「だがフリーエアのスティントでも非常に難しいことがある。カルロスの第2スティントのようにね」