フェラーリ、F1オランダGPのFP1で”ルーキードライバー走行義務”のひとつを消化へ。シュバルツマンがサインツJr.のマシンをドライブ
全F1チームは、シーズン中に2度のグランプリのFP1で、F1決勝レースへの参加数が2戦以下のドライバーを走らせなければならないと義務付けられている。フェラーリはこれで、2回のうち1回の義務を消化することになる。
シュバルツマンは昨年も2回のFP1(アメリカGPとアブダビGP)に登場し、フェラーリのF1マシンを走らせた経験がある。
なおシュバルツマンは、全チームを通じて今季初めてFP1を走る非レギュラードライバーということになる。ただ、今季ルーキードライバーをデビューさせたマクラーレン(オスカー・ピアストリ)とウイリアムズ(ローガン・サージェント)、そしてフル参戦デビューとなったニック・デ・フリーズを起用したアルファタウリは、義務を消化したとカウントされている。
今季はここまで、前述の3チーム以外はまだルーキードライバーの起用義務を消化していないことになる。そのため、シーズン後半にこれを消化することになるが、F1スプリントが実施予定だったり、F2が併催されたり、あるいはストリートコースだったりタイヤの割り当て数が特殊だったりするイベントが多く、ルーキーを起用するのが難しい状況にある。現役のF2ドライバーを傘下に抱えるチームであればなおさらだ。
シュバルツマンはF2に参戦していないため、フェラーリとしては比較的柔軟に対応することができるはずだ。なおシュバルツマンは、オランダGPのFP1でカルロス・サインツJr.のマシンを走らせることになる。
フェラーリのチーム代表であるフレデリック・バスールは、オランダGPのFP1でシュバルツマンを走らせるという決定は、サインツJr.との相談の上で下されたという。
「ロバートがカルロスのクルマでザントフールトを走る。そしておそらくアブダビでは、シャルルのマシンを走らせることになるだろう」
そうバスール代表は言う。
「それはドライバーが選択したことだ。私はドライバーたちに、(FP1の走行を放棄する)希望の場所を選ぶ選択肢を与えた。簡単な状況ではないが、カルロスはその考えに同意してくれた」
「決断するのは簡単なことじゃない。シンガポールでも日本でも、そしてラスベガスでも、それができないのは明らかだ。また、カタールやオースティンは、スプリントイベントだ」
「その他、タイヤの配分が少し違うレースもあるから、そこでも消化するのは難しい。結局のところ、選択肢はそれほど多くないということだ」
バスール代表は、現在F2に参戦中のフェラーリ・ドライバー・アカデミーのメンバーであるオリバー・ペアマン(プレマ)やアーサー・ルクレール(DAMS)については、F2に集中するべきであり、別の機会にF1マシンを走らせるチャンスを与えるつもりだと語った。
「彼らはF2の選手権に集中しなければいけない」
そうバスール代表は語った。
「そして我々は、シーズンが終わるまでに、2021年用もしくはそれ以外のマシンをテストするチャンスを与えるつもりだ。しかし私は彼らが、F2の選手権に集中し続けられるようにしたい」