F1の2023年シーズン後半戦がザントフールトで開幕。オランダGPのフリー走行1回目では、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがセッション最速タイムを記録した。

 FP1が行なわれたグランプリ1日目の天候は曇。気温20度、路面温度30度というコンディションの中、1時間のセッションが開始された。

 ピット出口がオープンになると、ドライバーズランキングで独走状態のフェルスタッペンを含め、各車がまずはマシンやアップデートパーツのチェックのためコース上で走行を開始した。

 このFP1ではフェラーリのカルロス・サインツJr.のマシンをリザーブドライバーのロバート・シュバルツマンがドライブ。フェラーリはこれでルーキー起用義務の1枠を消化したこととなる。

 序盤は、フェルスタッペンやルイス・ハミルトン(メルセデス)がセッションを引っ張る形に。走行プログラムに各チーム違いはあるものの、レッドブル勢やメルセデス勢の後ろには、比較的直線で強みを発揮してきたウイリアムズの2台がツイスティなザントフールトでも上位に並んだ。

 多くのマシンは1セット目のタイヤで10周前後周回するとピットイン。ガレージに一度戻って、メカニックがマシンに調整を加えた。

 アストンマーチンのランス・ストロールはセッション開始から20分近くはガレージから出られない状況が続いた。その後コースに出ても、マシントラブルによりすぐさまピットイン。パワーユニット周りにトラブルを抱えていたようだ。

 セッション前半は硬めのタイヤでの走行がメインだったが、セッション折返しを前に、ウイリアムズのローガン・サージェントがソフトタイヤの投入を開始。ここから徐々にソフトタイヤで予選想定プログラムへ移行するドライバーも増えていった。

 レッドブルのセルジオ・ペレスはソフトタイヤを履いて1分12秒439でトップに立つと、チャージラップを挟んで1分12秒323までタイムを更新。そこにウイリアムズのアレクサンダー・アルボンが0.124秒差で続いた。

 セッションが残り20分を切り、プッシュラップを行なうドライバーも多くなってきたところでハースのニコ・ヒュルケンベルグが最終コーナー手前でリヤを流してスピン。グラベルトラップ内で止まったことで赤旗が提示された。

 マシンの回収が終わり、FP1は残り10分ほどで再開。ここまではミディアムタイヤ、ハードタイヤで入念に走り込むチームもいたが、ほとんどがソフトタイヤでセッション終盤を走った。

 ザントフールトは1周4.259kmと短いこともあり、トラフィックをかき分けてタイムを出す形に。そんな中でもフェルスタッペンは1分11秒852を記録してトップへ浮上し、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が0.278秒落ちで2番手、ハミルトンが0.373秒落ちの3番手で続いた。

 FP1はこのトップ3のまま終了。フェルスタッペンはチェッカー後にターン11で飛び出すシーンがあったものの、マシンを大きく破損させることはなかった。

 ペレスは赤旗後にユーズドタイヤを使用していたこともあり4番手。5〜8番手にはウイリアムズ勢とマクラーレン勢が交互に入った。

 アルファタウリの角田は1分12秒749をマーク。アルピーヌのエステバン・オコンを抑えて9番手と良い形で週末をスタートさせた。

 なお、フェラーリ勢とアルファロメオ勢はFP1でソフトタイヤを使用せず。セットアップの熟成ロングランペースの改善など、他チームとは違うプログラムで1時間のセッションを走ったようだ。