F1第14戦オランダGPのフリー走行3回目が行なわれた。トップとなったのは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンだった。

 F1オランダGP2日目は、初日と違ってあいにくのウエットコンディション。FP3のセッション開始時点で気温15度、路面温度19度という状況だ。

 なお、前日のFP2でのクラッシュでダニエル・リカルド(アルファタウリ)が左の中手骨骨折を負ってしまった結果、リザーブドライバーのリアム・ローソンが代役としてこのセッションから走行。イレギュラーな形でF1デビューを果たすことになった。

 60分のセッションが開始されると、地元のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がウエットタイヤでコースイン。少しでも多く走りたいローソンも、続いてコースへ向かった。

 バンクのついたターン3でフェルスタッペンが挙動を乱すシーンもある中、マクラーレンの2台が溝が浅いインターミディエイトタイヤを装着した。

 徐々にインターミディエイトを履くマシンも増えてくる中、ターン3出口でケビン・マグヌッセン(ハース)がクラッシュしたことで開始から10分を前に赤旗が掲示された。

 7分ほどの中断でセッションが再開されると、フェルスタッペンもインターミディエイトにタイヤを履き替えコースインした。

 しばらくすると、セッション序盤にフェルスタッペンがウエットタイヤで記録した1分27秒514のトップタイムが塗り替えられていくようになり、フェルスタッペンがインターミディエイトで1分25秒197を記録し再びタイムシートのトップに立った。

 すると、セッション残り35分のところでターン13立ち上がりで周冠宇(アルファロメオ)がリヤからスピン。グラベルにハマってしまったことで、2度目の赤旗となり、再び10分ほど走行が中断された。

 セッション終盤は路面の水量も減ってきたのか、各車が自己ベストを更新。中でも元気がいいのはマクラーレンの2台で、オスカー・ピアストリとランド・ノリスがトップタイムを更新し合った。

 ローソンが最終コーナーでスピンし、逆向きに止まったことで3度目の赤旗が掲示。こちらはローソンが自走でピットに戻れたこともあって、すぐにセッション再開となった。

 この頃にはだいぶレコードライン上が乾いてきており、フェルスタッペンはここでペースアップ。全セクターで全体ベストを更新し、1分22秒758をマークした。

 他のマシンも続々と自己ベストを更新。メルセデスのジョージ・ラッセルがフェルスタッペンに0.021秒差に迫るが、フェルスタッペンは続くアタックで1分21秒631までタイムを更新してみせた。

 最終盤になっても各車がタイムを更新しタイムシートが変動する中で、60分のセッションが終了となった。

 フェルスタッペンは最後の1周でセクター1最速を刻んだものの、ターン11でコースオフ。それでも、ウエットコンディションでも上々の仕上がりを見せてFP3トップとなった。

 0.379秒差の2番手にはラッセル。3番手にはレッドブルのセルジオ・ペレス、そこから僅差でフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が続いた。

 アルファタウリの角田裕毅は13番手。急遽デビューとなったローソンは18番手となっている。

 全体的にコンディションの良かったセッション最終盤にアタックしたかどうかがこのセッションの結果を左右した形だが、予選がどういうコンディションになるにしろ、上手く機を読みアタックをまとめる力が各チームに求められるだろう。