F1第14戦オランダGPの予選を14番手タイムで終えた角田裕毅(アルファタウリ)だが、予選中にルイス・ハミルトン(メルセデス)への妨害があったとされ、3グリッド降格処分を受けた。

 いつまた雨が降り始めるか分からないというウエットコンディションで始まった予選で、角田はQ2まで進出し、14番手タイムをマークした。ただ、彼は予選Q2の最中にターン13でレーシングラインから外れず、ハミルトンのアタックを妨害したと認められ、3グリッド降格ペナルティを受けることになった。

 なおそのハミルトンはQ2では13番手タイムにとどまり、Q3へは進出できずに終わっている。

 スチュワードは角田がレーシングラインから外れることができたと指摘し、不必要な妨害だったと判断しペナルティを下した。彼らの声明は以下の通りだ。

「角田は彼のファストトラップに向けた準備をターン13出口のドライのレーシングラインで行なっていたが、スピードが十分にあがっていなかったため、ハミルトンを妨害することとなった」

「角田は他のマシンに抜かれたため、前方とのギャップを取り戻すために低速での走行をしていたと説明している」

「スチュワードの見解では、角田がライン外へ外れる能力を保持していたことは明らかであり、そのため今回の妨害は不必要なモノだった」

 メルセデスのトト・ウルフ代表は角田の“酷い”妨害によって、ハミルトンのQ3進出を逃したため「本当に厳しかった」と主張。FIAに対しては抑止力としてより頻繁に厳しい措置を採るように呼びかけていた。

 しかし当のハミルトンは、自らのQ2敗退と妨害には何の関係もないと語っている。

 グリッド降格ペナルティを科された角田は、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)やアルファロメオの周冠宇、エステバン・オコン(アルピーヌ)らの後ろ、17番手からのスタートとなる。

 一方で角田と同じ様にアストンマーチンのフェルナンド・アロンソとランス・ストロールもハミルトンをブロックした可能性が調査されたが、ペナルティは免れている。

 なおその他にも、フェラーリのカルロス・サインツJr.がオスカー・ピアストリ(マクラーレン)をコース外へと追いやったとして調査を受け、彼にはけん責処分と5000ユーロの罰金が下された。