フェルスタッペンが乱戦制し史上最高タイの9連勝! アロンソとガスリーが表彰台。角田裕毅健闘も16位|F1オランダGP決勝
オランダGPの2日目は悪天候に見舞われたものの、F1の決勝が始まる頃には曇り。気温18度、路面温度27度というドライコンディションでスタート時刻を迎えた。
ポールシッターのフェルスタッペンを含めほとんどがスタートタイヤにソフトタイヤを選択。13番手スタートのルイス・ハミルトン(メルセデス)のみがミディアムタイヤを履いた。
ハースのケビン・マグヌッセンはピットレーンスタートを選択し、フェルスタッペンから今回急遽参戦となったリアム・ローソン(アルファタウリ)までの19台がグリッドにマシンを並べた。
72周先のチェッカーに向けて決勝レースの幕が上がると、フェルスタッペンが順当に首位をキープ。フロントロウスタートのランド・ノリス(マクラーレン)がそれに続き、5番手スタートのフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)はターン3でジョージ・ラッセル(メルセデス)を交わして3番手に立った。
しかしそのオープニングラップでいきなり大雨が襲来。上位勢はステイアウトを選択した一方で、中団以降のドライバーが1周目の終わりでピットに飛び込んでインターミディエイトタイヤへ交換した。
雨はすぐに止むと予想されていたものの、スリックタイヤではロスタイムが大きすぎると判断したか、フェルスタッペンやアロンソ、ノリスといった上位勢も遅れてピットインし、インターミディエイトタイヤへ交換した。
これにより真っ先にピットへ飛び込んだレッドブルのセルジオ・ペレスがトップ浮上。2番手にアルファロメオの周冠宇、3番手にアルピーヌのピエール・ガスリーというトップ3になった。
フェルスタッペンはこれで4番手。ピットでタイヤが用意されていなかったフェラーリのシャルル・ルクレールが5番手で、アロンソがそれに続いた。
ほとんどのドライバーがインターミディエイトタイヤへ交換したものの、4周目に雨は小康状態に。フェルスタッペンはピットインのタイミングでポジションを落としたが、7周目には2番手まで順位を回復。ペレスが1分26秒台までペースを落とす中で、フェルスタッペンは1分22秒台という驚異的なペース差を詰めた。
ザントフールトの新舗装は路面の乾きも早く、9周目には4番手スタートながら15番手にポジションを落としつつもスリックタイヤで粘り続けていたアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)が、インターミディエイト勢よりも速い1分22秒台で周回した。
これらのタイムを見て、インターミディエイト勢はスリックタイヤの方が有利と判断。10周目以降に再びスリックタイヤへと交換した。
フェルスタッペンは11周目の終わりにピットイン。ペレスより先にタイヤを替えたことで、13周目に首位を奪還した。その後ろではアロンソがアウトラップでガスリーを交わして3番手にポジションを回復した。
すると16周目にセーフティーカー出動。予選に続いてウイリアムズのローガン・サージェントがクラッシュを喫したのだ。
この間に複数のドライバーもピットイン。ウエットコンディションの中ソフトタイヤで粘り続けていたマシンも、タイヤを交換した。
レースは22周目から再開。フェルスタッペンは1分15秒台のラップタイムを重ねてトップを快走し、ペレスは一時3番手アロンソにDRS圏内まで迫られたもののペースを上げ、3秒以上のギャップを築いて2番手を維持した。
後方ではアルファタウリの角田裕毅が躍動し、17番手スタートからこのレース再開時には10番手に。ケビン・マグヌッセン(ハース)と周を交わし8番手にポジションを上げると、マシンパフォーマンスに勝るノリスやハミルトンを抑え続けた。
40周目を過ぎると、各車が2〜3回目のピットストップを開始。インターミディエイトタイヤを使ったマシンは、2種類のタイヤを使用しなければならないという義務が消えるため、ソフト→ソフトと換えるマシンも多かった。
ここでもレッドブルはワンツー体制を維持。アロンソはカルロス・サインツJr.(フェラーリ)にアンダーカットを許すも、52周目にポジションを取り返して3番手となった。
レースが60周目を迎えると再び雨が襲来。その周の終わりに各車が続々とピットインし、インターミディエイトタイヤへと交換した。
ただ雨は猛烈な勢いとなり、2番手を走っていたペレスはターン1で止まりきれずにコースオフ。その直後にはターン1で周がアクアプレーニングを起こしてクラッシュを喫した。この雨の中をインターミディエイトタイヤで走り続けるのは不可能と判断した複数のマシンがフルウエットタイヤに履き替えたものの、レースコントロールは64周目に赤旗を提示。レースが中断された。
長い中断期間を経て、再スタートを迎えた。レース再開時の順位はフェルスタッペン、アロンソ、ペレス、ガスリー、サインツJr.というトップ5。角田はこの雨の到来を予想してソフトタイヤで50周を走ったものの、チームの予想よりも雨の到来が遅れたか、結局入賞圏外まで順位を落とし、12番手で再開を迎えることとなった。加えて角田はステイアウトを続けた際にメルセデスのジョージ・ラッセルと接触し、5秒のタイム加算ペナルティが科されることとなった。
レース再開時には全車インターミディエイトの装着が義務付けられ、セーフティーカー先導で2周を走行。ローリングスタートで残り6周の時点からレースが再開されることとなった。
フェルスタッペンを先頭に順当なスタートになったものの、7番手争いを繰り広げていたノリスとラッセルの2台が接触。ラッセルはタイヤを交換しなければならず、最後尾に落ちた。
フェルスタッペンは再び快調に飛ばし、そのままトップチェッカー。今季11勝目を挙げ、セバスチャン・ベッテルが2013年に打ち立てたシーズン記録に並ぶ9連勝を、母国のファンの目の前で決めてみせた。
アロンソはカナダGP以来の2位をファステストラップの1ポイントと共に獲得。ペレスは3番手フィニッシュだったものの、ピットレーンでのスピード違反によって5秒のタイム加算ペナルティが科され、4番手フィニッシュのガスリーが繰り上がりで3位表彰台を掴んだ。
ペレスは4位降着。サインツJr.はハミルトンに追い回されたものの5位を守り切ってチェッカーを受けた。ハミルトンが6位、ノリスが7位、アルボンを挟む形でもう1台のマクラーレンであるオスカー・ピアストリが9位。最後の10位1ポイントをアルピーヌのエステバン・オコンが手にした。
角田は16位。レース前半は入賞圏内を走っていただけに、結果後手に回った戦略とペナルティが最終的な結果に響いた。
デビュー戦のローソンは難しいレースを走り切って13位だった。