F1オランダGPの決勝レースではレッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝。メルセデスのルイス・ハミルトンはそこから13秒遅れの6位フィニッシュとなったものの、フェルスタッペンに挑めるだけのペースがあったと語っている。

 ハミルトンは土曜日の予選でQ3進出を逃して13番手から日曜日の決勝レースを迎えた。

 そのレースはドライコンディションでスタートの時刻を迎えたものの、オープニングラップで突如として雨が降り注ぐ展開に。1周目の終わりにピットでインターミディエイトタイヤに交換するドライバーがいる一方で、メルセデスはピットストップのタイミングが遅れたことで大きくタイムを失い、ハミルトンは後方に沈むこととなった。

 しかし、ハミルトンはドライ→ウエット→ドライ→ウエットとコンディションが目まぐるしく変化するレースで6位までポジションを回復。ドライとウエットの両コンディションでフェルスタッペンに匹敵するペースを発揮できたと考えている。

「あのコンディションで正しい判断ができれていれば、トップ2に挑めるだけのペースがあった」

 ハミルトンはSky Sportsにそう語った。

「正直に言えば、マックスにも挑戦できていたと思う」

「特に乾いていく時は、ペース的にはそれほど離されていなかったと思う。僕らが彼らを倒せたと言っている訳じゃないけど、近くまで行けたと思う」

 またハミルトンはmotorsport.comなどのメディアに対して、金曜日の夜に誤ったセットアップを施してしまい予選では苦しんだものの、決勝ではマシンに合わせ込むことができたと語っている。

「決勝で取り戻せたと感じている。土曜日はひどかったけど、日曜日はなんとかマシンをしっかり機能させることができたし、みんなを抜いていくことができた」とハミルトンは言う。

「僕にはペースがあったと思う。レースではマックスと一緒のペースだったし、(6位という結果は)僕らが正しいポジションにいることができなかっただけだ」

「13番手からスタートして、一時は最後尾まで落ちたけど、6番手まで挽回できた。それには満足しているよ」

 ハミルトンが6位でレースを終えた一方で、チームメイトのジョージ・ラッセルは完走したマシンの中では最下位となる17位フィニッシュとなった。

 ラッセルは序盤の雨でインターミディエイトへ交換した中では最遅の4周目にピットインしたドライバーのひとり。一時は1周で20秒をロスしており、ピットへ向かった際にはトップから1分近くの後れを取っていた。

 こうしたピット戦略での失敗について、ラッセルはチームが天候に関して「完全に間違った」情報を持っていたと語っている。

「レースが本格的に始まる前に終わっていた」とラッセルは振り返る。

「天候に関する情報が完全に間違っていて、雨は2〜3分しか降らないと考えていた」

「見ての通り、それ以上長く降ったし、本当に残念だ。表彰台を逃してしまった」

 ハミルトンに続いてラッセルもレース中盤のドライコンディションで挽回。ただ、レース終盤の豪雨からレース再開となった際、マクラーレンのランド・ノリスと接触しタイヤのパンクに見舞われることとなった。

 それによってラッセルは追加のピットストップでタイヤを交換することとなり、最後尾でレースを終えることとなった。

「上手く挽回できていたのに、ランドと接触してパンクしてしまった」とラッセルは言う。

「だから残念だけど、速いマシンを手にできたということは良かった」