ディクソン脅威の燃費走行で圧勝。チャンピオン争いに望みを繋ぐ。佐藤琢磨”今季最終レース”は無念のクラッシュ:インディカー・シリーズ第15戦
ディクソンは予選7番手だったものの、シーズン5基目のエンジンを投入したことで、9グリッド降格ペナルティを受け、16番グリッドからのスタートとなった。しかし究極の燃費走行を成功させ、ほとんどのマシンが5ストップ作戦を採る中、なんと3ストップ作戦でレースを走り切ってみせた。
この戦略が功を奏し、2位パトリシオ・オワード(アロー・マクラーレン)に22秒差をつけて圧勝。3位には、オワードと接戦を演じたデビッド・マルカス(デイル・コイン)が入った。リードラップでフィニッシュしたのはこの3台だけという、ディクソンの完勝劇だった。
なおディクソンは、先日インディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースで行なわれた第14戦でも勝利しており連勝となった。
レース序盤をリードしていたのは、チーム・ペンスキーのジョセフ・ニューガーデンだった。しかし2位争いをしていたレース終盤にウォールにクラッシュ。戦列を離れることになった。ニューガーデンはもし今回のレースで勝利していれば、史上初のシーズン中のオーバルレース全勝という驚異的な記録を樹立するところだったが、それは叶わなかった。
今シーズンのレースは残り2戦。チャンピオン争いはポイントリーダーのアレックス・パロウと、今回勝利したディクソンのふたりに絞られた。ただふたりのポイント差は74と大きく、次戦ポートランド戦で勝負が決する可能性もある。
今シーズンはオーバルレースのみの参戦となっている佐藤琢磨は、今回のレースがシーズン最終戦。予選では8番手、ペナルティで17番グリッドからスタートしたが、119周目にコース上のマーブルに乗ってコントロールを失い、クラッシュ。26位でレースを終えた。
佐藤はレース後、次のようにコメントしている。
「マーブルに乗り上げてウォールに接触しました。このような終わり方は、もちろん望んでいませんでした。それまでにもマーブルには何度か苦しめられましたが、結果的にこれが致命傷となりました。ターン1で勢いに乗ったので、そのままターン2を目指したため、気付いた時には手遅れでした」
「チップとチップ・ガナッシ・レーシングには心からお礼を申し上げます。懸命に働いてくれたチームのメンバーにはお詫びの言葉もありません」