メルセデスF1のトト・ウルフ代表はオランダGP決勝における戦略ミスを認めて、徹底的に検証を行なうつもりだと語っている。

 オランダGPでメルセデスはルイス・ハミルトンが6位、ジョージ・ラッセルは接触の影響もあり17位でフィニッシュとなった。

 今回のレースでは1周目から雨が降っていたことで、即座にスリックタイヤからインターミディエイトタイヤへと履き替える判断を下したチームが、大きくポジションを上げている。そしてメルセデスは序盤にスリックタイヤでステイアウトしすぎたことで、タイムを大きくロスしてしまった。

「我々は壊滅的なステイアウトをしてしまった。完全に間違っていたんだ」

 ウルフ代表はSky SportsF1にそう語った。

「徹底的に検証を行なっていく」

「決してひとりの人間や、ひとつの部門の問題ではない。ドライバーとピットウォール、戦略におけるコミュニケーションの問題であり、そこで下される決定が、間違いなく我々から見ても基準以下のモノだった。苦しいが、受け入れるしかない」

 ウルフ代表の失望は、レース中のメルセデスのマシンが速いペースを発揮していたという点からも来ている。実際、ハミルトンも「優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に挑めるペースがあった」と後に語っている。

「クルマのペースは本当に良かったからこそ腹立たしい。我々はできる限りリカバリーしていったんだ」とウルフ代表は言う。

「レース中盤には、ジョージがマックスと同レベルのペースを発揮していたし、ルイスも非常に強力だった。我々はもっと前を走ることができたはずだ」

 ウルフ代表はせっかくのペースを活かせなかったことを悔やみつつも、ペースを発揮できたことは慰めになると語った。

「例えそれが苦しいことだとしても、平凡な結果よりは、良いペースを発揮する速いレースマシンを手にしていることのほうが良いだろう」

「ただ結果が本当に悪かったし、ほろ苦さがあるといったところだ。もっと良くできたかもしれないが、言っても詮無いことだ」