F1イタリアGPに先立ち、アストンマーチンはフェリペ・ドルゴビッチをFP1で起用することを発表した。

 昨年のFIA F2王者であるドルゴビッチは今年、ストフェル・バンドーンと共にアストンマーチンの公式リザーブドライバーを務めており、ドルゴビッチは既に今季マシンAMR23を、負傷したランス・ストロールの代役としてプレシーズンテストで走らせている。彼は今回のイタリアGPのFP1でも、ストロールに代わってマシンをドライブする。

 FP1でのドライブに先立ち、ドルゴビッチは次のように語っている。

「AMR23のステアリングを握るのが待ちきれない」

「プレシーズンテストでドライブした時、マシンのフィーリングは素晴らしかった。そこからどれだけ改善しているか見るのが楽しみだ」

「テストプログラムを通じて学んだことを証明する素晴らしい機会にもなる」

「バーレーン以降、僕はF1マシンで多くの距離を走ったから、チームに貴重なフィードバックを提供する上でさらに理解が深まったよ」

 ドルゴビッチの言うF1マシンでの走行とは、F1の旧車テスト(TPC)レギュレーションに基づき、アストンマーチンが彼のために用意した専用プログラムのこと。2023年のアストンマーチンとの育成ドライバー契約として、シルバーストン、カタルニア、レッドブルリンクの3サーキットで走行テストが行なわれた。

 ドルゴビッチは母国ブラジルのスポンサーから大きな支援を受けており、motorsport.comの情報筋によると、2024年のドライバー市場で最後のピースとなる可能性がある。また2024年にはフォーミュラEへの転向も噂されている。

「フェリペにAMR23をドライブする機会を再び提供できることを嬉しく思う」

 アストンマーチンのチーム代表であるマイク・クラックはそう語った。

「彼はプレシーズンテストでその能力を発揮し、チームの初期開発に大きく貢献してくれた」

「モンツァは、フェリペがエンジニアやメカニックと密接に仕事し、チームのために重要なセッションを行なう中で自信をつける新たなチャンスになる」

「このセッションを共に最大限活かすことを楽しみにしている」

 アストンマーチンがイタリアGPのFP1をドルゴビッチに託したことは、さらに重要な意味を持っている。というのも、このFP1では今年2回目の代替タイヤ割り当て(ATA)が行なわれるからだ。

 ATAでは、タイヤ輸送における持続可能性を向上させ、レースにおけるタイヤ戦略のバリエーションを増やすべく、各チームに供給されるタイヤのセット数が削減される。