年間24戦以上は勘弁です。ルクレール、過酷なスケジュールで働くF1スタッフ憂いカレンダー拡大を懸念
F1のオーナー企業であるリバティメディアは近年、マイアミやラスベガスといったアメリカを中心とする大都市の新市場拡大に意欲を見せている。またアフリカ大陸でのレース開催も視野に入れており、キャラミでの南アフリカGP復活に向けた取り組みも行なわれている。
2024年のF1カレンダーは3連戦が3回、前後の開催地と地域が異なる“単独開催”が4回存在するなど、ロジスティクス面でいくつかの難所が存在する。
レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、F1の過酷なスケジュールを憂いており、ルクレールもそれに賛同している。
24戦という来年のカレンダーについてmotorsport.comがルクレールに尋ねると、彼は次のように答えた。
「これ以上は無理だ」
「他方では僕も理解できる部分もある。簡単なことじゃないけどね。F1の立場に立てば、今ブームのスポーツだし、そうなっているのは素晴らしいことだ。ブームなのはとてもラッキーなんだ」
「同時に、あるところからはやり過ぎだというような気もする。それは、僕らドライバーたちについてじゃない。僕らドライバーは、とても良い生活ができているからね」
「文句を言っているドライバーは、メカニックやエンジニア、ロジスティクスの人たちが僕らより3日前からサーキットにいて、2日後にサーキット離れるということに気づいていないんだと思う。彼らにとってはかなり大変なことになると思う」
F1の商業的取り決めであるコンコルド協定では現在、24戦がカレンダーの最大数となっているが、この協定は2026年に更新を迎える。そのため、最大数が維持されるかどうかは未知数だ。
またルクレールは、4年に1度のオリンピックが毎年開催されれば特別なイベントではなくなってしまうように、グランプリの数が多すぎればグランプリそれぞれの魅力や重要性が失われてしまうと指摘する。
「クルマに乗っているときはいつでも僕はハッピーだけど、グランプリはユニークなモノである必要があると思うんだ」とルクレールは言う。
「もし毎週末グランプリがあるとしたら、レースに参加するたびに得られる特別な感覚が少し失われてしまうような気がするんだ」
8月初め、F1ドライバーズランキング3連覇へ猛進中のフェルスタッペンは、F1参戦に伴う人的コストやサーキット外での活動が増えることで、多忙なライフスタイルの価値に疑問を抱くこともあると語った。
「みんな『あいつは大金を稼いでいるのに、何を文句言っているんだ?』と思うかもしれない。でも、自分の幸福、どんな体験をするかどうかが重要であって、いくら稼いだかじゃないんだ」
「あまりに多くのことをやらなきゃいけない気がして、他のことがおろそかになってしまう。だから、時々『それでもやる価値があるのか?』と思うことがある」