アストンマーチンF1のマイク・クラック代表は、来季のチーム離脱が噂されているランス・ストロールについて、来季もドライバーとしてアストンマーチンでレースをすると語った。

 ストロールは、チームメイトのフェルナンド・アロンソに匹敵する結果を残すべく奮闘してきた。しかし今季すでに7度の表彰台に上っているアロンソが168ポイントを稼いでいるのに対し、ストロールはトリプルスコアの47ポイントとなっている。

 ストロールはF1から離れてテニスプレイヤーに転身するのではないかという噂を一蹴したものの、パドックでは彼がF1ドライバーとしての将来に悩んでいるのではないかと考えられているのだ。

 2025年以降のドライバー市場に目を向けるのは論理的な行動ではあるが、アストンマーチン・パフォーマンス・テクノロジー・グループのCEOであるマーティン・ウィットマーシュが有力ドライバーに声をかけていることも、ストロールの長期的なチームでの将来に疑問符がついている要因だ。

 2026年からアストンマーチンがホンダとタッグを組むこともあって、角田裕毅がアストンマーチンに移籍し、アルファタウリはリアム・ローソンとダニエル・リカルドを起用するのではないかという噂も一部では出てきている。

 しかしクラック代表は、2024年もストロールがアロンソのチームメイトとしてレースを戦うと語った。

「今はモンツァだし、(移籍の噂話が飛び交う)シリーシーズンの時期だ。みんなちょっと退屈しているんだ」

 ストロールの取り組みについて聞かれたクラック代表は、次のようにmotorsport.comに語った。

「今のところ、我々はそうした議論はしていない。来季もこのふたりのドライバーで問題ないだろう」

「彼は先週、非常に勤勉なドライバーだった。シミュレータに入ったり、たくさん走って、改善できるところを細部まで分析しようとしたりしている。だから、その方向に行くことはないと思う」

 クラック代表は、「アロンソとストロールの差は結果から想像されるほど大きくない」と強調した。

「パフォーマンスに大きなギャップがあるのではなく、ポイントに顕著な差があるんだ」

「そして、このふたつを分けて考えることが重要だ。我々はチームとして、両方のドライバーの視点からシーズンを分析している」

「我々はチームとして、ガレージのあちら側(ストロール側)でもっと良い仕事をする必要があると思う。レース戦略だけじゃなく、信頼性にも問題があったし、いつも接触されるのはあっちの方なんだ。だから我々がもっともっとうまくやれることがあるんだ」