今シーズンここまで、7度の表彰台を獲得しているアストンマーチンのフェルナンド・アロンソ。そのアロンソは、アストンマーチンにとってのF1初勝利が近づいていると感じており、それを掴むためにはいつも以上にリスクを負う覚悟があると語った。

 先日行なわれたF1オランダGPでアロンソは、6月のカナダGP以来となる表彰台を獲得した。しかし、レッドブルのマックス・フェルスタッペンには届かず、2位という結果だった。

 ただアロンソは、チェッカーを受けた後に「もうすぐレースで勝てるはず。僕らは(レッドブルに)近づいている」と無線で語り、チームを鼓舞した。

 このコメントについて尋ねると、アロンソは次のようにその時の気持ちを説明した。

「少しずつ近づいている……そう思える週末がいくつかあった」

 アロンソはmotorsport.comに対して語った。

「ザントフールトや、あるいは2位や3位に入ったレースで、僕らは勝利に近付いているように感じた。ただ、マックスやレッドブルと戦っているんだ。彼らが崩れることはない」

「僕らは時々勝利に近づいている。でもパフォーマンスや運、適切なタイミングでのピットストップなど、僕らはもう一歩前進する必要がある。だからザントフールトの後は、ポジティブに考えようと僕は思ったんだ」

「ラジオでは、基本的にはエンジニアと話している。だから、世界中全ての人が聞いているということを忘れがちだ。そういうコメントは、非公開にしておきたかったね」

「でも、それは僕の本心だったし、残りのレースでもう一度戦えるポジションにいたり、マックスとサイド・バイ・サイドで走れるチャンスがあればいいと思っている。その時には、いつも以上のリスクを負うかもしれない」

 アストンマーチンのチーム代表であるマイク・クラックは、アロンソの言葉はチーム全員にとって大いに励みになったと語った。

「モチベーションが上がるね。チームとしても、こういう言葉を聞くのは嬉しいことだし、家で見守っているスタッフとしても、この言葉は重要だ」

 そうクラック代表は言う。

「基本的には、モチベーションを高めるためのスピーチをするには、絶好の瞬間だった」

「それを聞いて、誰もが喜んだ。それは、家に帰った時に笑顔になるということを意味する。でも、言うと実際に行なうのとでは違う。だから我々は、今の差を埋めて、勝利を実現するために、本当に努力しなければいけない」

 今の状況でアストンマーチンがレッドブルに勝てると思うかと尋ねられたクラック代表は、次のように語った。

「彼らは素晴らしい。それが、まず我々が認識しなければいけないことだと思う。マックスとあのクルマのコンビネーションは抜群だ」

「アロンソもそれについては示唆している。それについては、おそらく十分に認識されていないのではないかと思う。レベルは非常に高い。しかし、彼がトラブルに遭えばいいなと言っているわけではないよ。彼らが次のレースでどんな形になるのか、それを見守る必要がある」

「勝機が訪れた場合、それをしっかり拾えるポジションにいなければいけない。でも、我々がそういう位置にいることができなかったレースも4〜6戦くらいはあった。だからこそ我々は謙虚さを保ち、最善を尽くし、何が起きるかを見てみる必要があるのだと思う」