母国戦で跳ね馬が躍動! フェラーリのサインツJr.がフェルスタッペン打ち破りポール獲得。角田裕毅11番手|F1イタリアGP予選
舞台は”スピードの殿堂”ことモンツァ。週末を通して天候に恵まれ、気温28度、路面温40度というコンディションの中、予選の開始時刻を迎えた。
今回のイタリアGPは代替タイヤ配分(ATA)という試験的なフォーマットで行なわれており、各マシンのタイヤセット数が13から11に削減された他、予選の各セッションで使用タイヤが指定された。
ハードタイヤを使用して争われる18分間のQ1では、アルファタウリの2台がユーズドタイヤでコースイン。その他のマシンは新品タイヤを履いた。
まずレッドブルのマックス・フェルスタッペンが1分22秒047のトップタイムを記録するも、これがトラックリミット違反でタイム抹消となり、1分22秒123を記録したアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)が代わってトップに立った。
アルファタウリ勢は残り10分を切ったところで新品タイヤを投入。既に新品タイヤで走行を始めていた他のドライバーは、チャージラップやピットインを挟んで2度目のアタックに出てレッドブルが1−2をマークし、母国フェラーリ勢がそれに続いた。
首位フェルスタッペンから15番手までが1秒差と非常に接近した争いの中、脱落のリスクを考え、多くのドライバーがQ1最後に新品タイヤを投入した。
例年、モンツァのQ1ではストレートで他車のトウ(スリップストリーム)を得ようとアタックに向けたポジション争いが繰り広げられ、隊列後方に追いやられたドライバーがタイム計測へ入る前にチェッカーを受けるというシーンも見られた。
しかし、今年は最低通過タイムが設けられ過度なスローダウンが取り締まられたこともあってか、残り20秒で全車が最終アタックを開始することができた。
結果、フェルスタッペンがQ1をトップ通過。以下アルボン、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、角田裕毅(アルファタウリ)というトップ4だった。
ミディアムタイヤで争われる15分間のQ2は静かな出だしとなったが、セッションが2分を経過すると再びコース上がにぎやかになっていった。
フェルスタッペンは1分21秒035で再びトップに立つも、今週好調のサインツJr.が1分20秒991でそれを上回った。
メルセデスはトラフィックの影響を考えてかタイミングをずらしてピットアウト。1セット目のタイヤで唯一2アタックを行なったマクラーレンと共にタイム計測を実施したが、トップ5に食い込むことはできなかった。
各車は残り3分でピットアウト。隊列の中で間隔を開け、Q2の最終アタックを開始した。
ルクレールはここで1分20秒977でトップに立つも、フェルスタッペンが1分20秒937にトップタイムを塗り替え、再びトップでQ2通過を果たした。
Q2脱落圏内に沈んでいたハミルトンやオスカー・ピアストリ(マクラーレン)はトップ10圏内までタイムを上げ、角田は11番手で押し出される形に。10番手ランド・ノリス(マクラーレン)との差はわずか0.013秒だった。
なお、チームメイトであるリアム・ローソンは初のQ2進出を果たすも、角田のひとつ後ろ12番手で予選を終えている。
迎えたソフトタイヤで争われる12分間のQ3。セッションが1分を経過したところから、レッドブルの2台を先頭に10台が続々とコースに姿を現した。
まずはフェルスタッペンがターゲットタイムとなる1分20秒631をマークするも、当該ラップのターン6でタイヤをグラベルに落としたミスもあり、フェラーリの2台がそれを上回っていった。サインツJr.が1分20秒532のトップタイムを叩き出すと、グランドスタンドに詰めかけたフェラーリのファン“ティフォシ”からも歓声が挙がった。
各車一旦ピットに戻り、残り3分というところで10台が新品タイヤに履き替えてピットアウト。予選最後のアタックに臨んだ。
ルクレールが1分20秒361でトップに立つも、それをフェルスタッペンが1分20秒307で上回る。しかしさらにサインツJr.が0.013秒速い1分20秒294の最速タイムを叩き出し、万雷の拍手がモンツァを包む中、サインツJr.がフェラーリの聖地でポールポジションを獲得した。
フェルスタッペンは2番手に甘んじたが、彼の視線は決勝に向けられており、落胆した様子は見られなかった。
3番手ルクレール以下、ラッセル、セルジオ・ペレス(レッドブル)、アルボン、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)、ハミルトン、ノリス、アロンソというトップ10だった。
なお、フェラーリの2台はQ1で最低通過タイムを遵守しなかったとして審議対象となったが、こちらはお咎めなしとなった。