MotoGP第11戦カタルニアGPはアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)が勝利したが、彼はレース前にはフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)に少し負けたような気持ちだったという。

 エスパルガロはカタルニアGPの初日からライバルを圧倒する速さを見せていたが、予選では約0.1秒の差でバニャイヤにポールポジションを奪われてしまった。

 スプリントレースでは、エスパルガロは序盤からバニャイヤを追いかけ回し、レース折り返しで追い抜くとその後は独走。2秒差を付けてスプリントレース初優勝を果たした

 レース後、エスパルガロは予選でバニャイヤに負けたことを少し気にしていたのだと明らかにした。

「スプリントレースでも、チェッカーフラッグを受けた時はすごく特別な気分だったよ」

 エスパルガロはそう語る。

「でもスプリントと決勝に向けて素晴らしい結果ではあるものの、予選で2番手だったから午前中はちょっと苦い気分だった。ちょっと負けた気分だったんだ」

「全力を尽くしたけど、ペッコ(バニャイヤの愛称)のほうが上手だった。彼は素晴らしい走りで、レコードを更新したんだ。ちょっと腹が立ったのもあって、スプリントレースはかなりやる気を高めてスタートしたんだ」

「序盤2ラップは(先頭を走る)ペッコがすごく高いレベルだったから、少し驚かされた」

「1分39秒台前半の非常に速いペースだったんだ。そんなペースで行くようなプランを考えていたわけじゃなかったからね。だから彼がこのペースで走り出した時には『よし、やってやろうじゃないか。誰が速いか、誰が最初にリヤタイヤを壊すか見てみよう』と覚悟を決めたよ」

 エスパルガロはレース7周目のターン1に向けてバニャイヤに並びかけて、オーバーテイクしていった。この時はエスパルガロもかなりギリギリの状態だったようだ。

「僕のほうがコーナー中盤で優れていると感じていたんだ。彼よりも少し速く走れて、トラクションも優れているようだった」

「でもブレーキングという点で、彼は”キング”なんだ。オーストリアでも彼をオーバーテイクするのがとても難しいようだった」

「今日は自分に強さを感じられていた。これまでのキャリアの中でも、アドバンテージをもって勝ったことは無かったんだ。どれもレースの終盤に追い抜いて勝っていたんだ」

「だから今日は自分にこんなチャンスは中々無いと言い聞かせた。彼を追い抜こうとしていたんだけど、大変だったよ」

「ターン1で物凄くブレーキングを遅らせて、フロントなんかはロックさせてしまっていた。彼を抜くためにはそのブレーキが必要で、曲がれないところだった」

 今回、エスパルガロは路面のグリップが低い状況でのライディングスタイルが、そのパフォーマンスもあって称賛されている。ただエスパルガロ本人は、これはむしろ“好きではない”スタイルであって、バイクの求めるライディングをしているだけだと語った。

 スムーズでよりマシンを起こしたスタイルのライディングについて聞かれたエスパルガロは「こういったライディングスタイルのために、このバイクを作ってきた」と答え、さらに次のように続けた。

「僕は自分のライディングスタイルがあまり好きではなくて、もっとバンクさせたいと思っている。時々テストで試してもみるんだけど、メリットがないんだ」

「ホルヘ・マルティン(プラマック)がコーナーでめちゃめちゃ(路面と)接近しているのを目にするけど、アレはとても美しいね。だけど自分たちにメリットはないと思う」

「アプリリアのマシンには、自分から曲がっていくことを求めてきた。ライダーが助けることはできるけど、それはバイクが適切に機能していないということだから、無理に力を加える必要はないんだ」

「僕にとって、それは最初から明らかなことだった。そして僕らはそうやってバイクを作ってきたんだ。アプリリアのマシンはグリッド上でもベストなコーナリングマシンだ。美しくはないけれど、こうしたグリップの無いコースではそれが助けになる」