メルセデス、最高速は上位勢から10km/h差……イタリアGP予選で大きな弱点が露呈「空気抵抗が大きすぎる」
一方でメルセデスはジョージ・ラッセルがサインツJr.から0.377秒差の4番手。ルイス・ハミルトンは0.526秒差で8番手となった。
こうした結果を受けてメルセデスのトト・ウルフ代表は、スピードトラップで下位に沈んだことが結果に直結しているとの考えを語った。
予選での各車の最高速を見てみると、第1シケインから212m手前に設置されたスピードトラップでメルセデス勢は20台中最も遅い2台だった。ラッセルは338.6km/h、ハミルトンは340.6km/hだった。
一方でポールのサインツJr.は350.8km/h、予選2番手のフェルスタッペンは344km/h。スピードトラップで最速を叩き出したのはハースのケビン・マグヌッセンで、速度は351.9km/hだった。
上位から10km/h落ちという結果についてウルフ代表は、チームが行なった空力パッケージの選択とは無関係だと説明。その代わりに、今季マシンW14の空気効率が十分ではないことが原因だと指摘している。
「空気抵抗が大きすぎる」とウルフ代表は言う。
「こういう高速サーキットにとって、このマシンは空気抵抗が大きすぎるんだ」
「トップスピード(スピードトラップ)の表を見ただけだが、我々はどこでも最下位だ」
「空気抵抗が大きくてストレートが速くなくても、良いラップタイムを引き出すことはできる。でも全体的に見れば、モンツァにおいて空気抵抗が大きすぎるというのは間違いない」
しかしウルフ代表は、ストレートで大きく遅れながらもラッセルが掴んだ4番手という結果にはある程度満足できたようだ。
「昨年は1.2秒遅かったからね」とウルフ代表は言う。
「スパやバクーの時点で、ローダウンフォース(のサーキット)が我々に合っていないことは分かっていた」
「マシンはどこでも速いはずだが、これらのサーキットが我々の悩みのタネだった。速いマシンと上位とのタイム差を考えれば、半分は満足できると思う」
なおウルフ代表は、前戦オランダGPでの苦戦からイタリアGPでポールを掴んだフェラーリの復調具合に関しては注目すべきだと考えている。
「オランダGPの週末やハイダウンフォース(サーキットでの)週末を見ると、フェラーリはあまり競争力がなかったから興味深い」とウルフ代表は言う。
「そしてここへ来て大活躍し、フェルスタッペンに差をつけた」
「それをレース全体のペースに繋げられるかどうか、それは見てみないと分からない。フェルスタッペンは全体的にとてもマシンが良くて、完璧な走りを見せている」
「でも彼ら(レッドブル)が苦しみ、モンツァでフェラーリが勝つのを見るのがF1のためだと思う。我々ができなければ、フェラーリが勝つべきだ」
ラッセル自身は、トップスピードの問題を念頭に起きつつ、オーバーテイクが非常に難しいレースになると予想している。
「チャレンジになると思う」とラッセルは言う。
「僕らのレースペースは良いと思う。タイヤのデグラデーション(性能劣化)はあまり高くなさそうだ。ここモンツァではそれほどでもない」
「薄いリヤウイングだと、実際オーバーテイクは簡単じゃない。DRSを使っても0.2〜0.3秒しか稼げないからね」
「僕らはピットストップをもっと速くする必要がある。フェラーリよりもデグラデーションは良いはずだから、ピットストップでタイムを縮めることと、フェラーリとは違うことをするのが唯一の道だ」