アストンマーチンのフェルナンド・アロンソは、F1イタリアGPを9位でフィニッシュ。レース後にアロンソは、これ以上の結果は望むべくもなかったと語った。

 イタリアGPを迎えた段階でコンストラクターズランキング3番手につけていたアストンマーチン。前半戦終盤にはパフォーマンスを落としているように見え、表彰台にはなかなか届かないレースが続いていた同チームだが、先日行なわれたオランダGPではアロンソが久々の2位表彰台を獲得し、復調をアピールした。

 しかしイタリアGPは、前半戦終盤よりもさらに苦戦。予選ではアロンソをもってしても10番手が精一杯。チームメイトのランス・ストロールに至っては、なんと予選最下位に終わった。決勝でもその厳しい状況は変わらず、アロンソは9位。ストロールは16位だった。

 アロンソはイタリアGPについて「とにかく遅かった」と語り、「ここから多くの教訓を得なければいけない」と今後に向けて気を引き締めた。

「僕らはこのレースから、多くの教訓を得る必要がある。僕らには競争力がなかった。だから、それが僕らにとっての主な焦点になるだろう」

 アロンソはそう語った。

「こういうサーキットでは、将来に向けて何を変える必要があるかを理解しようとしている。来年ここに来る時に対してもそうだしね」

「今回のレースに関して話すことはあまりない。僕らは最初から最後まで遅かったから、9位より上を狙うことはできなかった。いくつかポイントを獲ることができたけど、多くの教訓を得ることができればいいと思っている」

「このクルマと、そしてクルマの空力効率は、おそらく今回のようなサーキットでは、必要とされるほど良くはなかったんだと思う。空気抵抗のレベルが非常に重要で、それが僕らの弱点だったみたいだ。それは理解している」

「もっと改善して、いくつか新しいアイデアを持ち込む必要がある」

 アロンソは、イタリアGPが今季最も厳しいレースだったと振り返る。

「非常にグリップが低く、ドライブするのがとても難しいマシンに乗っているのは、精神的にも肉体的にも非常に厳しいレースだった。フラストレーションが溜まったよ。僕にとっては今年最も難しいレースのひとつだった」

「今年最悪の結果だったから、誰かが覚えていることはないだろう。でも僕は、覚えておくつもりだ。大変なレースだったからね」

「でもさっきも言ったように、マシンやレースから得たデータから、良い教訓を得られることを願っている」

 アロンソは厳しいレースだったものの、最大限の結果を引き出すことができたと考えており、そこは満足している様子だ。そして、次戦シンガポールGPでの巻き返しを誓った。

「僕らは、日曜日にはいつもしっかり仕事ができていると思う」

「マシンから最大限のパフォーマンスを発揮しても、残念ながら今回のように9位に終わることもあれば、前回のように2位になることもある。僕らはミスを犯しているわけじゃない。良い戦略を立て、良いピットストップもしている」

「ライバルはシーズン序盤に大きなミスをおかした。だからポイントに関してかなりの差がついた。でも今ではその差も近付き、フェラーリさえ僕らよりも前に行ってしまった」

「次のシンガポールは、モンツァよりも間違いなく良いだろうね。でも、レースに勝つまでは難しいかもしれない……レッドブルは、いつもレースで傑出した成績を残しているから、それがどれだけ難しいことか僕らは分かっているつもりだ」

「シンガポールで僕らが優勝候補のひとつであるかどうか、それは分からない。でも、週末ごとに勢力図が変わっていくような気がする。モナコでは予選でもレースでもアルピーヌが強かった。バクーではフェラーリが速かったんだ。シンガポールではどうなるだろうね」

 なお今回のイタリアGPでは、フェラーリがポールポジションを獲得し、レースでも序盤15周で先頭を走った。このことは、打倒レッドブルへの励みとなるかと尋ねられたアロンソは、その可能性を一蹴した。

「いや、そんなことはない。ここはフェラーリが得意としているサーキットだからね。数年前からそうだ」

 そうアロンソは分析する。

「彼らは今回、新しいパワーユニットを投入したし、このレースを戦うために色々なことをしていた」