イモラで開催されるエミリア・ロマーニャGPとモンツァで開催されるイタリアGPは、どちらも2025年シーズンまでF1と開催契約を結んでいるが、2026年以降のイタリアでのグランプリ開催について、間もなく判断が下されるとF1のステファノ・ドメニカリCEOは語っている。

 世界中からグランプリを誘致しようという機運が高まり、F1開催カレンダーが拡大する中、スパ・フランコルシャンでのベルギーGPやザントフールトでのオランダGPといったヨーロッパのレースは、今後ローテションを組んで隔年開催を余儀なくされる可能性が高いと指摘されている。そんな中、イタリア国内で年間2レース開催を維持することは厳しいと考えられる。

 今年のイタリアGPを前にドメニカリCEOは、モンツァとイモラでのグランプリ開催の長期的な見通しについて、直に判断を下すつもりだと語った。

「短期的に取り組む必要のある問題がひとつある。それはイタリアにおけるF1の将来を見極めることだ」とドメニカリCEOは言う。

「ふたつのグランプリをカレンダーに残すだけのリソースがあるのか、それともひとつのグランプリに集中すべきなのかを見極めなければならない」

「イモラには感謝したい。COVIDのような困難な状況でも、オーガナイザーはチャンスを掴む準備ができていたし、彼らはその約束に応えてくれた」

 モンツァはこの秋、来年のレース開催に向けてF1側の要求を満たすべく、インフラ面でのアップデートに着手する予定だ。この改修工事には、コース下のトンネルの拡大やホスピタリティ施設の改善、グランドスタンドの改善などが含まれるという。

 ドメニカリCEOは、モンツァが他の開催地と同じ水準に追いつくことを望んでおり、こうした改善は重要だと語っている。

「彼らは我々に、グランプリ終了後に必要な施設の改修工事が開始されると認めている」とドメニカリCEOは言う。

「来年は改善の兆しを示す必要があるから、これは重要なことだ」

「モンツァの歴史的価値は疑いの余地はないが、サービス面でも時代に追いつく必要がある。来年中には、今後に関して明確な考えを持つことになるだろう」

 ドメニカリCEOは、週末全体を音楽フェスのように盛り上げるザントフールトをはじめとする主催側の努力を例に挙げ、F1にとって観客の体験が重要だと強調している。

「莫大な投資を行ない、財政的な可能性に合わせてインフラを整備している国もある」とドメニカリCEOは説明する。

「しかし、イベントの評価を左右する要素は他にも有る。先週末のザントフールトは、エンターテイメントという点で非常に良い例になると思う。観客の楽しませ方は信じられないほどだった」

Quotes from Roberto Chinchero